恋愛事情
episode 7.
episode 7.
今思えば変な意地をはっていたのかもしれない。
与えられたチャンスだったのに、
あたしは自分のプライドに負けた。
「もう、無理だよ」
肩を落とすイサム。
教室に戻っていくイサムの背中をずっと見つめてた。
このときはまだ分からなかった。
イサムの大切さも、イサムの優しさも。
教室に戻る。
ユウ、アキラがひやかしてくる。
「喧嘩〜?」
「別れた」
「へ?どっちがフッたん?」
「あたし!フラれるの嫌やん?!笑」
…多分、こんなやり取りだったと思う。
イサムの手を離したのはあたし、
それなのに。
何で泣きそうなんだろう。
だんだん笑顔がひきつる。
誰にも見られたくない。
教室を飛び出した。
雨はますます強くなる。
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