商い物
人魚の歌 上*
【鬼畜近衛騎士長×人質平凡王子】
私が見初めたその人は、我がジブランダル帝国に送られた隣国の人質王子だった。
王子・アマランサーシス様は同盟国家間で行われる交換留学生もとい人質としてこの国に来た。
我が国は大陸最強を誇り、他の国からも王子や姫が来ていた。
だがこの王子、あまりにも人と馴染めない姿から人質同士でも浮いてしまい、独りでいる事が多かった。
王子の国は人魚の加護を受けるという国で、時々【人魚のお気に入り】と呼ばれるものが産まれるという。
大体は、指の間に水掻きがあるとか、腕に魚の鱗があるとかくらいだと聞く。
だがアマランサーシス王子は、顔左半分が鱗に覆われ、目も魚のように白目のない黒目であった。
これで顔のパーツが整っていたなら、もしかしたら他の姫や我が国の姫、もしくは王子の寵愛をもらえたかもしれない。
だが、残念ながら凡庸な顔立ちの王子は、気味悪がられるだけで誰もそばに寄らなかった。
「やめて、ひっ!やめ、てくださいっ!!」
私には都合が良かった。
なぜなら、私が彼に恋をしているから。
何度組み敷いても、甘く可愛らしい声を上げて人魚側の目から真珠の涙をこぼす彼はとても愛おしく、どんなに貪っても飽きはしなかった。
不人気の王子の見張りは、私が代わるといえば嬉しそうに任せてくれるし、私の従魔獣を見張り役にしておけば部屋の中で何をしようが誰にも見つからない。
ようやく最近、胸の両飾りで心地良い声を聞かせてくれるようにまでなったのだ。
ほぼ毎晩通い、私のためだけの柔い可憐な蕾に己を突き入れ、反応を強く示すシコリを潰してあげれば、甘やかに声を響かせてくれる。
猛る自分をこんなにも抑えられないのは、何分初めてのことで、お仕えしている皇帝にまで苦笑されてしまった。
もちろん、皇帝は私が女通いをしていると思っているが。
「もう、やっ…あ、あぁっ!!イくっ、イくッイキますっぅう!」
イくときには必ず「イく」と言うこと。
躾けた王子は泣きながら従っている。
言わなかった代償は、イけない苦しみだ。
男だからこそわかる苦痛でもって、少しずつ王子の閨の言葉すらも従わせるのはとても楽しい。
痙攣しギュウッと締まる蕾の奥に、私もうっかり持ってかれそうになる。
だが、今日は少しずつ拡げてきた奥、肚の中の最奥の快楽を教えようと決めていた。
トピュリと可愛らしく白濁をこぼすのを嬉しく思いながら、容赦なく最奥を突けば、目を見開く可愛らしい人。
「やだ、やめて…まだ、イったばっかで…僕、おかしく…」
「おかしくなってください、アマラ様。私の与える全てで狂ってください。」
「ひっ!ぁあっあ、あ、あっ!?」
私を写したその瞳に、自分でもわかるほど甘く笑えば、怯えた顔がとても煽情的で私のモノがさらに質量を増やす。
押し広げられた肚に、ビクンと跳ねた体を愛撫しながら最奥を快楽の壺へと変えていった。
軋むベッドの上、暗闇に浮かぶ白い肌は私が飾ったキスの痕を色濃く残す。
散々に抱いた後、ぐったり気を失っている王子を清めてからその薄い唇に口づけし部屋を出た。
「ご主人に愛されるなんてついてないな。」
従魔獣がボヤいたが今回で、肚の最奥をメス化させられたので気にならない。
可愛い可愛い我が真珠の君。
今度はどこを可愛がって泣かせようか…。
その後、他国から差し向けられた暗殺団を返り討ちにして武功を挙げたことで、皇帝陛下から望みのものを与えると言われたので、私は真珠の君を賜りたいと願い、皇帝陛下は驚きながらもすぐに婚姻を進めるよう計らってくれた。
王子が望もうが望むまいが、1週間後には正式に手中に収められる。
手に落ちた真珠の君を部屋に囲い、飽きることなく私好みに変えさせていく。
とても楽しい毎日だと、笑えばどこぞの令嬢が色めいた。
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