商い物
サイゴノユメヲミル・後編*
グッチャグッチャ、と聞くに堪えない音を出すのは、オレの下半身で、あられもない声は最早叫びすぎてガスガスだ。
「取引で反応するな、と教えたのにお前は…」
「ごべ、ごべん、ざい゛ぃぃ、あ゛ぁぁあぁ、も、や゛べ…や゛べっぐぁざ、あい゛ぃぃぃっ!?」
前をコックリングで戒められ、後ろにローターと極太ディルドをはめられ激しく出し入れされ、頭がパンクしそうな、血管が膨張しまくって破裂しそうな快感がグルグル体を駆け巡る。
イってるのにイけない熱が、もうおかしくなりそうだ。
「なぁ?何度教えても覚えねぇなら、下と同じようにピアス付けて間違えたら引きちぎる様にしてやろうか?お前の逸物なんて、価値ねぇしなぁ?」
「ひ、ぅ…あ、い…」
「それとも尿道強制拡張してやろうか?あー、そっちの方が良いかもなぁ?壊れるくらい拡げてガバガバにしてやる。せいぜい、壊れねぇように間違えないことだ。」
「あ゛い…仰せお、おおい、に…」
すうっと両目が細められ、涙と涎、鼻水でグッチャグッチャな顔にキスを降らせる。
「約束は、違えるなよ?千隼。」
「はい、あ、あぁぁあぁっ!!」
オモチャを全て取られ、代わりに入ってきてオレを激しく揺さぶる剥寧さん。
目の前が滲んで、揺れて、訳が分からなくなって…ブラックアウト。
そして、また戻される快楽の現実。
剥寧さんの美しい、しなやかな肉体は、一度女が見れば孕みそうなほど。
男ですら、男を辞める者が現れるほど。
オレにとっては、与えられる感覚に全身で喜びながらも、明日以降しばらく隣に立てない日が出来てしまう可能性を考えて悲しくもあった。
オレは、オレの望みは剥寧さんの役に立つこと。
役に立つためなら、どんなにこの身を削ろうが、血に塗れようが、汚泥を啜ろうが構わない。
相手を脅すための道具として、両口端を麻酔なしで切り裂かれようと、口を塞がれようと役立てるならそれこそが幸福だ。
役に立たないオレは、いらない。
役に立って、役に立って、最期はボロ雑巾のように捨てて欲しい。
役に立てない日がどんなに辛いか、剥寧さんは知らないようだから、オレは何としても明日の仕事は出来るように祈るばかりだった。
「気持ち、イイだろ?なぁ、千隼。ハァッ…千隼、俺のイヌ。」
そう、下僕でありたい。
あなたに買われ飼われているのだから、無慈悲なまでに使い潰して欲しいのだ。
性欲処理でも、サンドバッグでも、なんでもやります。
オレはあなたのイヌだから。
「ひぅんんんんっ!?あ…っうぅ……ふ…」
快楽に落ちて、拾えなかった声は、たぶんオレにとってなんの意味もないことだから、忘れてしまおう。
ーーー愛してる。
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