商い物 4 * ゴホッと噎せながらも、精液を飲んで熱を帯びる体が嫌になる。 奏真さんのものになってから半年。 苗字呼びを禁止され、破れば永遠とイかせてもらえない地獄を味わうことを体に覚え込まされてから、秋津先輩のことを名前で呼ぶようになった。 また、夏休みが終わる頃には、僕の体などあっという間に陥落してしまい、自分の手ではおろかオモチャですらイけないくらいに仕込まれた。 「上手になったねぇ、フェラ。オモチャ咥えて、前も気持ちよさそうだけどイイコだね。」 「うあっ!は、あっぁあ、う、むぅう…」 僕は第3図書館で、ソファに座る奏真さんの股の間に座ってくつろげたスラックスの間から出た、奏真さんのソレを必死に口に含む。 なのに、いつでも奏真さんを迎え入れられるようにと日替わりで変えられる尻に入れたオモチャに悪戯をしてくる。 どんなに勃っても、イけないことを知ってるからその悪戯は容赦ない。 目の前で、リモコンをカチカチと操作し、それに合わせて僕の尻の中で振動パターンや、強さを変える。 「も、やっ…そう、まさんの、挿れて」 「だぁめ。」 「んああっ!?おねが、お願い、しま、す」 「じゃあ、ボクの卒業に合わせて学校辞めてくれるよね?」 「っそれ、は」 奏真さんは3年。 今は2月。 この関係も、奏真さんが卒業するまで、と言い聞かせて、奏真さんに体を渡してきた。 けれども、どうやら卒業と同時に僕を学園から連れていくらしい。 「もし、学園に残りたいなら、条件を飲むしかないよ?」 学園に残るために僕に出された条件は、首輪をつけること、貞操帯をつけること、そして、僕と奏真さんの関係を学園全体に示すこと。 示すというのは、公開セックスすることと同じで、それだけは絶対に嫌だった。 でも、どちらにしろ僕にとってはどちらの結末も同じで…。 「ボクだって、可愛い姿は見せたくないけど、ちゃんとマーキングしておかなきゃ。ま、今はそれよりこっちに集中、ね?」 「うあ、あっ!ひぃあっあっ!」 床に倒され、いつも通りに思考を奪い取るセックス。 いつだって、ものを考えようとすると奏真さんは許さないとばかりに快楽を叩きつけて来る。 少しでも奏真さんから意識が離れないように、調教された体は彼にとって良いように反応を示してばかりで僕を裏切る。 だけど、僕は捕まったままで終わりたくはないんだ。 だから、逃げた。 隙を見ては退学届を書いて、少しずつ逃げる準備をして、監視の横田君が少し目を離した隙を逃さずに。 巨大な学園の敷地から出るまで、とにかく走った。 敷地から出てすぐの街のコンビニで、自分宛の荷物を受け取り、すぐにそこを出て近くの公園の公衆トイレで、尻の中に埋まっていたオモチャを抜き取り、服を着替えた。 学園からここに来るまでの身につけていたもの全てを公衆トイレに捨てた。 それから僕は、孤児院へ一旦寄り、嘘をつくのは申し訳なかったけれど、高校の水が合わずイジメがあったが、あまりにも規模が大きくて逃げ出すような真似をしてしまった、と説明し、仕事をしながらでも通える高校を紹介してもらった。 院長先生は、訴えようとしてくれたけれど、僕がもう静かに関わらずに生活したいのだと言えば、渋々怒りを納めてくれた。 本当に申し訳ないけれど、その優しさがとても嬉しかった。 院長先生が紹介してくれた高校のうち、学園から一番離れてる場所を選び、住み込みで働ける旅館に勤めることになった。 僕は久しぶりに、独りになれた。 奏真さんがいないのは、少し空虚にも似た感覚があったけど、それ以上に自由があることがとても幸せだった。 きっと大丈夫。 以前のように、戻れる。 僕はそう言い聞かせて、日々を過ごした。 1年が過ぎるまで、奏真さんが来るのではないかと気を張っていた。 それも杞憂に終わり、僕は普通の高校生として過ごし、旅館で働かせてもらいコツコツと将来のための貯金をした。 本を読んで、知識も増やした。 好きな事を好きなように出来る。 強制されない日々は、とても楽しかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |