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商い物
2

小田峰が登校してから3日目。



「おい、小田峰!昼飯買って来い!!」

「あ、俺のもよろしく〜。焼きそばパンとメロンパンで!あと、黒のひとときもね〜。」



俺も便乗して、小田峰をパシる。
あっという間に小田峰は俺らのチームのパシリ君になった。
あ、因みに俺の前に小田峰を呼んだのがチームの頭で高田朔弥。
幼馴染で腐れ縁。
凶暴そうな顔してるけど、イケメンでよくおモテになる。
ま、俺もイケメンだけど。
朔弥が強面イケメンなら、俺は優男王子系イケメンかな。
女の子に不自由したことは無いけど、中学で一通り遊んじゃって今は鬱陶しいだけ。
朔弥から枯れたんじゃね?って言われるけど、週6ペースで抜いてますから〜。
セックスはしないけど、フェラはしてもらう時ある。
ガキできたら厄介だし、この歳で性病とか勘弁。



「さっさと行け!」



命令された小田峰は、相変わらずの無表情で教室を出て行った。



それから数分後、命令された通りのものを抱えた小田峰が戻ってきた。
…が、そこで予想外の事件が。



ヒュオッ!!



「うわっぷ!!」



ヒュッ!!ヒュッ!!



「…っ!ちょ、何すんのさ!!」

「ふざけてんじゃねぇぞ、小田峰!」



なんと小田峰が買ってきた昼飯を、俺らの顔面に向かって投げつけてきたのだ。
完全に気を抜いてた朔弥は、昼飯を顔面キャッチする羽目になってた。
笑った。
そして…



「投げた方が、渡しに行くより早い。」



…小田峰が喋った。
ってか登校以来、初めての発言じゃないか!?
初めてがそれで良いのか!!?



教室は静まり返って小田峰の凶行に目を瞠ったまま動けないでいた。
さて、朔弥の反応は…



「ぶっ…アハハハハ!!おま、面白ぇな!」



そういやこいつ、よく分かんないとこにお気に入り認定スイッチがあるんだよなぁ。



「こっち来いよ、小田峰。」

「オレ、チームとか入りたくないんで。」

「いいから来いよ!なんなら、俺がそっち行くぞ?」



そう言うと、渋々ながらも俺らのチームが集まってる教室の後ろの方にやって来た。
そして何故か俺の隣に腰を下ろした。
呼んだ張本人は、俺隔てた反対側にいるんですけど…。
何で?



「数日とはいえパシリにして悪かったな。俺は高田朔弥。」

「知ってる。」

「俺、そんなに有名か?」

「いや?速水先生が出欠とるから名前だけ知ってる。」

「「え?お前起きて(ん)たの?」」



思わず俺と朔弥の声が重なると、コクリと頷く小田峰。



「じゃあなんで返事しないの?」



もっともな俺の質問に対し、小田峰はさらにぶちかましてくれた。



「いるんだから、返事する必要ないと思って…」



いやはや、驚いたね。
真面目そうに見えて、全っ然真面目じゃないとか。
面白くてしょうがない。
俺は小田峰に興味を持った。



それから小田峰と会話するようになった。
朔弥も小田峰のことが気に入ったみたいで、連れ回してるようだ。
自分のバイクの後ろに乗せるくらいだから、相当だと思う。



溜まり場にまで連れてくるんだけど、小田峰がいずらそうにしてて、見るに見かねた溜まり場のバーのマスターが、逃げ場所としてマスターのお手伝いさん、という立場を作ってくれた。
まぁ、バイトみたいなもんだ。
お小遣いとしていくらかあげてるみたいだし。




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