短編物
孵化した子供
待っていたんじゃない。単なる甘えだった。
前を見ている人に後ろから何の努力をせずに待っていても振り向いてくれるはずが無いのに。
友達に、友達と思っていた人たちに、
自分の存在を認められていないと気付いたときに、
自分は必要ないんだ、ここから消えても気付かれないんだと、死にたくなった。
そして荒れていった。
全てが嫌で、皆自分の事が嫌いなのだと思っていた。
でもそこで気が付いた。
皆は自分のことが嫌いではない、だが好きでもないのだと。
そしてどちらでもないのが、無関心なのが一番辛いのだと。
なぜか体中の黒いモノが染み出ていく感じがした。
全てではないが白くなっていく気がした。
涙は出なかった。
再び生まれたようだった。
だが、この苦しみが分からず、呑気に笑っているものが愚かに見えて仕方なかった。
周りが見えておらず、今しか見ていない・・・
とても愚かだ。笑えてきてしまう。
完全にとりきれない黒い部分。
でも、この苦しみが分かっているから、周りが気付かないところに気付けるようになった。
手が離れる前に自分の手でつなぎとめる事ができる。
あらわれた白い部分。
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自分しか見えてない世界に囚われていた子供が孵化していき、
殻を破って、やっと皆のいる世界に生れ落ちた。
そんなイメージ。
う〜ん、
わかりにくいなぁ
2008.7.6(Sun)
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