短編物 吸血鬼と少女 僕はなぜ吸血鬼なのだろう 血なんて飲みたくないのに 人々は僕の存在を恐れている だから僕の入れない「聖域」なんてものをつくった その中で人々は暮らしている 僕の存在を否定しながら でも ある少女が「聖域」を超えてこちらに入ってきた とても優しい子だった 僕を恐れなかった 唯一僕の存在を認めてくれた そして血を与えてくれた 僕はそんな事をしたくないのに 僕は君に何をしてあげれないのに なぜ 君は 「なぜ君はこんな僕に優しく出来るの」 今だって僕の口は君の血で赤く染まっているのに なぜ恐れない 「私は」 なぜ笑っていられる 「私の命はもうすぐ尽きてしまう」 「え・・・」 死 「だから少しでも誰かの役に立ちたかったの」 死を目前にした人間はこんなにも優しくなるのか この少女はいつも目の前の『死』も見つめていたのか だから 「そんな顔をしないで」 この少女は 「笑って・・・ね?」 彼女は笑いながらそう言った。 彼女の手はまだこんなにも温かいのに。 ------------------------ 一、二年前に落書きのように描いた絵も元に ワールドを広げて文章にしてみましたぁ〜。 なんかさ、 儚げな少女っていいよね そしてへたれ男。 無力だねぇ。 そして、 暗いよ・・・・っ!!! ちきしょうっ 2008.5.24(Sun) [*前へ][次へ#] [戻る] |