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紫の日々
人間失格との日々
「果たして潤ちゃんは何所にいるのかな〜」


京都の街中をぷらぷらと歩く架空創造。
どうやら人類最強の請負人哀川潤を探しているようだ。


「てぇー言っても潤ちゃん色んな所飛び回ってるからな……」


ぶつぶつと呟きながら歩いているので色んな所にぶつかりそうになっている。
本人はぶつかる直前に避けてはいるのだが。


「まぁホテル行ってみるか…」


京都府某所市某ホテル。
確かこのまえ(と言っても結構前なのだが)はしばらく此処に滞在するとか言ってたっけ。
さぁーて、哀川潤は居るのだろうか。


「すみません、ちょっと教えてもらいたいんですけど」

「はい、なんでしょうか?」

「哀川潤っていう人このホテルに泊まっていますか?」

「ちょっとお待ちください」


ホテルの人はそう言うと、PCに向い何かを打ち込んで行く。


「哀川潤様はどうやら先日チェックアウトしたようです」

「あーそうですか」


どうやら潤ちゃんは昨日チェックアウトしたらしい。
惜しいなー。
とりあえず、ホテルの人に「ありがとう」と一言述べてからホテルを出る。


「うーここに居ないなら何所に居んのかなぁ」


うににっと変な言葉を述べながらプラプラと歩く。
しばらくすると前方に見慣れた姿が。
あれは!!


「ひっつーーーん!!!」


キャッホーーイ!!と叫びながら見知った人物の背中へとダイブする。
「ぐはっ!」とか聞こえたような聞こえてないような・・・。


「てめ、こんな事してくるヤツは…創造か」

「そうなのですた! こんな事するのは創造ちゃんなんだよーい」


にはははっと笑ってグニグニと頬っぺたを突いたりしている。
依然人間失格、零崎人識の背中に乗ったまま。


「やけにテンション高いな」

「んーそうかぁー?」

「とゆうかヤメロ」


ぷにぷにと突いていた指を止められる。
ちぇ、さわり心地よかったのに。


「いやさぁ〜前方に久しぶりのひっつんが居たらそりゃテンション上がるってもんよ!!」


今度はケラケラ笑いながらべしべし叩く。
痛そうな顔しているが無視だ無視。


「そういえば、創造」

「ん? ナンダイ、人識」

「俺のナイフ返せ、あれ奪ったやつ高かったんだからな!」

「え? なんて?」

「いやだから、ナイフ返せって言ってんだよ」

「ナイフ…ああ、あれね」

「そうだよ、お前がうばったあのナイフだ」

「うふ、アレね折っちゃた」


零崎人識、沈黙。


「はぁぁぁぁぁああああああああ!!!????」

「ん? もう一回言おうか? 折っちゃたよゴメーン」


キャハッ!といかにも★が付きそうな喋り方人識に言う創造。
人識の方はショックのあまりか固まっている。
人識はぎぎぎと効果音のつきそうな感じで創造の方に顔を向けると取り合えず、一本投げのように下した(落した)


「ちょ、おま! あれ高いんだぞ!!」

「いやはや、文句なら君のあの変態針金ロリコン兄さんに言っておくれよ。 僕のせいもあるけど八割方あいつのせいなんだからね」

「兄貴のせいか……」

「そうだにょーん♪ しつこかったからナイフで切りつけようとしたら折られちゃったんだわささ」


どよーんとした人識を慰めるつもりなのかベシベシと背中を叩いている。
前言撤回どうやら楽しんで叩いているようだ。


「てめー今すぐ此処で殺してバラシテ並べて揃えて晒してやんよ」

「にはははっその前に僕が終焉を見せてあげるよ」


このようにしばらくじゃれ合っていると、ぴりりと感じた視線。
それも最近よく感じる、慣れ親しんだ視線。
否、殺気か。
すなわち裏の世界の人間、殺し屋、殺人鬼、殺し名、そういった者の視線。


「……人識ぃー」

「なんだよ、創造」

「ちょっちぃ手伝ってくんね?」

「このさっきから俺等に向けてる視線のヤツとでも殺し合い(レンアイ)でもするんか?」

「そだよーちなみに、この視線は僕等じゃなくて“僕”単体だろうケドね」

「はぁ?」

「最近よく来るんだよねー裏世界のヒト」


僕は嫌になっちゃうよーと戯言をぬかす。
丁度、足元に落ちている小石を拾って手の上で投げたりして遊ぶ。


「それで、さぁー。 一人より二人の方が早いから手伝ってくんね?」

「はぁ〜しょうがないぜ」

「お! さすがはゼロリンさんくー」


キャッホーイとテンション高めで飛びつく。
ああ、テンションは高いのに不愉快だ。
不愉快不愉快気分が悪くなる。
不愉快きまわりない不愉快不愉快不愉快不愉快……!!


「ゼーロリン、僕なんか不愉快だよ」

「“捕食”するつもりか」

「いや、捕食はしないよ。 ただ不愉快きまわりないだけだよ」


ぶすっと顔を歪める。
さっきからずっと向けてくる視線。
イライラする。
イライライライライライライライライライライライライラ……。


「かはは、創造殺気がすごい事になってんぜ?」

「まったく、ッチ」


僕は一つ舌打ちすると背後の塀から覗いている木へと小石を投げる。
すると出てきた一人の人間。


「さすが、【死終焉】。 よく私がいるのに気が付きましたね」

「黙れ、あれぐらい素人でも気づく」

「そうですか、それに零崎のお方も居る様で」

「お前誰だ」

「ああ、申し遅れました。 神宮党、神宮 簾裂と申します以後お見知りおきを」


神宮、確か新しくというか新参者の殺し屋だったような気がする。



「その神宮の党首が僕になんのようだ」

「ああ私はですね、あなたを殺す事が出来たなら殺し名序列三位に入る事かと思いましてね」

「僕を殺す? っは、殺し名序列三位にも入っていないお前がどう僕を殺す?」

「確かにそうですね。 でも、【死終焉】あなたはこの前私どもの部下に結構追い詰められたようですね」

「それがどうした」

「だからですね。 あなたみたいな小娘に【死終焉】や【世界最狂】の名前はもったいないんですよ。それにアナタを殺せば、きっと序列三位に入る事はなくとも大分近づくことは出来る、名前も私が手に入れられる。 一石二鳥だ」


零崎人識はこいつの言葉を聴いて、馬鹿だコイツはと思った。
小娘?こいつは小娘ですむような人間じゃない。
きっとアイツはしらないのだろう。
それに神宮といば新参者だったはずだ。
こいつの一般的な名前は【死終焉】や【世界最狂】。
そしてまだ名前があるのだが、もっと恐れられるのは【捕食者】だ。

【捕食者】のコイツはもっとも恐ろしい。
気分により相手の殺し方が決まる。
そして共通するのはコイツは【捕食者】はまるで恐怖を楽しむかのように相手の感情を喰らうかのように蝕み残酷な殺し方をする。
間近で見たことのある人識は断言する。
コイツほど恐怖を恐れを覚えるものはいない、と。








人間失格との日々




・・・・・・・・・・・
途中で切ってしまってすみません!!
予想以上に長くなりそうでしたんで切りました。

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