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para(表闇※弱気王と黒あいぼ)



 どうか、ボクだけに。




para



  瞳がボクを見ている。ボクはそれを見下ろして、少しだけ口の端を歪ませた。
  馬鹿だね。
  そんな感じのことを呟いてみたら、もう一人の自分は恐怖に怯えたような、哀しそうな、視線を投げてきた。馬鹿だね。馬鹿で愚かで傲慢で臆病者で、いとおしくて仕方ない。
 ゲームをするときはあんなに自信に満ちた顔をするのに。今はこんなに、

「ボクのことが怖い、の?」

 もう一人の自分は、かぶりを振った。ゆるゆると。こんなに弱い目をして、肩を震わせているくせに。この心の部屋はキミのものなのに、そんなに端っこに凭れて丸くなって小さくなって。
 もっと。
  もっと、もっと、壊してあげる。揺るがせてあげる。ぐちゃぐちゃにして、真っ暗にして、そのたびに掬い上げてあげる。
  だから、
  だから、どうか、ボクだけになって、それ以外は、全部捨てて。
  屈みこんで、同じ目線になって、無理やり顎をあげさせる。まだ、怯えてる。震えてる。大丈夫なのに。

「大丈夫だよ、嫌ってなんかいないから」

  キミを捨てたりなんか、しないから。

「………本当に…?」

 ひどく掠れた声を出した。子供のように、涙を堪えていたように。

「うん」

 笑いかけてみせる。すると、彼もつられたように小さな笑みを浮かべたが、すぐに決壊したように涙を溢れさせた。
 馬鹿だね、本当に。
 顎をあげさせたまま、唇を触れ合わせた。すぐに離すと、名残惜しそうな瞳をして、ボクの身体をきゅうと抱き締めてきた。すがるように。しゃくりあげるような声が漏れる。


 馬鹿なんだから。
 愚かで傲慢で臆病者で、そんなだから、ボクにつけこまれて。こんなにも、いとおしくていとおしくて仕方なくなるのに。



  少しだけ頭を撫でて、ボクも、もう一人の自分の背中に腕を回した。



 

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あきゅろす。
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