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アメジストの瞳


無理無理無理!!

そう抵抗する僕をみて姉さんはクスクス笑った。


「ハルク?あなたも女性なのですから女性らしい格好をしなさい?」


『お前女だったのか!?』

そう笑ったキースを思いっきり睨みつければ、じょ、ジョークだよ。と返ってきた。

「やだよ!!僕には無理!どーせなら剣士になりたい!」


「剣士、ねぇ」

そう呟いて、姉さんは僕の腕をガシッと掴んだ。

ひっ、と声が出そうになった。


『姉さん怖えぇ!』


キースがそう言った瞬間。


「ただいま、マリアン」



ガチャッという音と共に、少し幼さが残った声が聞こえた。


「あら、お帰りなさい。エ、リオン様」

そう言って姉さんは微笑むとエリオン様?も微笑み、赤くなる。


「(……なるほど、だねキース)」


『(おっ、ハルク意外と鋭いじゃねえか)』


この人恐ろしくわかりやすいなぁ。

2人をみて笑ったら、エリオン様は顔を赤くして不機嫌そうに僕らを見た。


「……貴様、誰だ?」


僕を真っ直ぐ見て睨むその瞳は綺麗なアメジストだった。
綺麗だなー、ってぼんやりしてると姉さんが口をひらいた。

「ハルク、この方はヒューゴ邸のご子息のリオン・マグナス様よ」

あれ、リオンなんだ。



「リオン様、この者は私のいも「弟のハルクです!!」

『(必死だな)』


当たり前だよ!姉さん、絶対女にさせる気だな。

「ふふ、紅茶をいれてくるわね」
姉さんはクスクス笑って部屋を後にした



「……マリアンの?似ていないな」



少し僕を見下したように、ふんっ、て鼻で笑われた。


『でも坊ちゃん、結構、美少年じゃないですか』


「……(シャル、人前で話しかけ「ありがとう!!でもリオン様も美少年だよね」


少し高い感じの声の人が、誉めてくれたので感謝した。


あれ?坊ちゃん?



「なっ!?貴様、シャルの声が聞こえるのか!?」

「シャ、ル…?」

『僕ですよ!僕の声!』

リオン様は興奮したように剣を前に突き出してきた。

危なっ!じゃなくて、

「君の剣は話せるの?!僕は指輪だよ!」

ね、キース。と続けると
リオン様はまじまじと指輪を見た。


『まさか…シャルティエか?』


キースの第一声はそれだった。
知り合いか?とリオン様はシャルティエに問い掛ける。

『まさ、か!キース!?』

「キース?確かシャルの……」

『ああ、幼なじみだ。1000年ぶりだな、シャル!』


キースとシャルティエが盛り上がっているなか、僕はリオンに声をかけた。

「ねぇ、リオン様。なんでその剣はなせるの?」

するとリオン様は眉間にシワをよせた。
なっ、なんで!?

「馬鹿か貴様?ソーディアンもしらないのか??」

ああ、ソーディアン!人格が宿っているらしいヤツかぁ。
えっ!?ソーディアン?!

「君、ソーディアン、マスター?!」

「……ああ」

「じゃあ、すんごい剣士なの?」

「……」

不機嫌な顔で黙るリオン様。
あれ?僕地雷ふんだ?


『すごいんですよ!坊ちゃんは16歳なのに、もう客員剣士なんですよ!』

シャル!!、とリオン様が睨みつけた。



「すっっっげぇぇぇ!!!!」

「なっ?!」


僕は叫んだ。
みんな驚いた目でみた(シャルティエとキースはわかんないけど)。

「いーないーな!!戦えるんだ!しかも客員剣士!すごいリオン様!」

「…おい、こいつは馬鹿なのか!?」


『ああ、大馬鹿だ』
キースは後で埋めるとして、
僕はリオン様の手を掴んだ。

「すごい!リオン様かっこいい!」


キラキラ目を輝かす僕をみてリオン様は顔をそらした。

『坊ちゃんまさか!?』
とシャルティエが言ったけど

「そんなわけないだろう!」


と叫んだ。



「お願いリオン様!!僕を部下にしてくれないかな?」


僕が問うとリオン様は少し考える。

お願いお願い、と願う僕を目の端でみると、シャルティエを掴んで、


街から出るぞ、と呟いた。



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