Love!
3.諦める
XXXHOLiC、連載
「ご注文は何に致しますか?」
「いつものヤツにぜんざい、後この抹茶パフェらしいのを1つください」
「・・・茶」
「かしこまりました。」
クスリ、と可愛らしく笑みを溢したウェイトレスの女の子は伝票に注文を書き留めると会釈をしてから厨房へと戻って行った。
その後ろ姿を眺めながら心の中で溜め息をつく。
“いつもの”で話が通じる程の常連客になってしまったという事だ・・・コイツのせいで。
「・・・そう言えば、また何日かまた学校休むよ。」
「また仕事やらか?」
「うん・・・
ちょっと厄介らしい。」
そう告げると、仏頂面が少し不機嫌になった。
それを見て藍は苦笑を溢して、目の前の彼にピッと小指を立てた。
「なるべく早く帰ってくるし、無茶は出来るだけしないから。」
「絶対、ではないんだな。」
「そこらへんは妥協しろ。
絶対とか永遠とか、そんな曖昧なモンは信じてないんだよ。」
「・・・で?
これは?」
「・・・私なりの妥協ラインの締結のつもりだけど?
了承していただけます、百目鬼静君?」
意外そうにの顔と小指を見比べると、溜め息を1つついてその細く白い指に自分のを絡めた。
「・・・てんちょー、あたしあの二人の雰囲気に割り込む勇気全くないんですが。」
「女は度胸よ、柚木ちゃん。」
グッと親指を立てる店長を尻目に、柚木と呼ばれたウェイトレスは、目の前のみたらし団子を見ながら重い溜め息をついた。
諦める(しかないか・・・)
長く付き合うコツは妥協だし