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03



「忍先輩っ!今日も一段と可愛いっすね!」

「りょーちゃんっ!今日も一段と綺麗だね」


ナオと美桜先輩の積極性だ。
この二人は相手しか見えてないしもしかしたら相手も見えてないかもしれたいほどガンガン攻めていってます。ワーオ…



「………」

「うぜ」



まあ良いコンビじゃないかな、うん。




ほのぼのと周りを見ているとふいに手を握られた。天馬先輩だ。


「え、あの…」

「……かまえ」


ドッキューン。ストライク!バッターアウト!!


もーのすっごく、恐れ多いけど…今、一瞬だけ、天馬先輩がでっかいわんこに見えた。
きゅーんと尻尾を垂らした可愛らしいわんこ。

普通に見たらただの厳つい高校生に見えない男を可愛いだなんて、思ってしまった。



「せんぱ…」

「アキー!先ぱーい!!早く来いよー!!」



先輩に話しかけようとしたら、遠くでミケたちが呼んでいる。いつの間に、と面食らったが、次の瞬間違う方に意識をもっていかれた。



「行くぞ、秋人」

ぎゅ、と先輩の冷たい手に握られた俺の左手はまるでそこに心臓があるかのように脈うっている。




「はい!天馬先輩っ」



どうか永遠に、この手を握りしめれたらいいな、そんな事を頭の隅で考えながら、天馬先輩と一緒に歩き出した。





第二章エンド



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