02 目を開けると、真っ白な空間に暖かい日差しが差し込んでいた。 「……え、と」 一瞬、何が自分に起きたのが分からなくなって呆ける。それから昨日の記憶がだんだんと蘇ってきて身震いした。 「起きたのか、秋人」 「あ、先輩!」 がらりと見ていた方と反対側のドアが開き、そちらに顔を向けるといつもと同じ天馬先輩がいた。 「一番ひどいの、ミケなんですか!?それで…ミケは、ミケは大丈夫なんですか!?」 「落ち着け、あいつは大丈夫だ。今は孝介がついてる」 それを聞いて複雑な気持ちになりつつもホッと一息。良かった… 「もう、すぐに退院できるからな…」 ちょっと待ってろよ、と言いながら俺の頭に手を軽く乗せて、天馬先輩は部屋を出ていった。 「くわぁあ〜…ひっさびさの外出だなあ!」 あれから一週間たち、ミケも無事退院し、今日はみんなで遊びに行くことになった。 ミケはずっと部屋から出れなかったため、すごく嬉しそうに泉川先輩と話してる。泉川先輩も、普段は絶対出ないような甘い笑みを浮かべてミケを見つめてる。嫉妬はしてない、してないよー… 二人を見つめていると少し横から声が聞こえてきた。 「とーもーちゃんっ」 「わあ!…エージ先輩!!もうっ止めて下さいってばぁー…」 英二先輩とトモはなんだかんだ言って仲良いみたい!前は黙ってるだけだったトモもちゃんと話せてるし、よしよし。 そして、一番意外なのがこの二人。 [前へ] [次へ] [戻る] |