日曜日は波乱です
「おはよーす!全員揃ってるな!」
「おはよー」
午前十時、待ち合わせ場所である中央駅前に行くとナオたちはもう来ていたらしく、笑って迎えてくれた。
「遅れてごめんねっ」
「気にしないで!そんなに待ってないしっ」
「別にいい」
俺の言葉に返してくれたのはトモとリョウで、ナオとミケはどこへ行くか、という話題で盛り上がっていた。
そんなテンションの高い2人に苦笑しつつ、携帯を見たが、メールはきていなかった。
「どうか、したの?」
「え?いや、天馬先輩にメールしたんだけど帰ってこなくてさー」
別に俺は俺でこっちで遊んでるから別に、言うことじゃないけどなんだか不安になる。
そわそわとしながら携帯を見つめていたが、返信はくる気配はなかった。
「アキー!トモー!リョウー!行くぞー!!」
ミケの声ではっとする。
今日はみんなで遊ぶんだから、他のことは気にしなくていいよね。
そう思い携帯を閉じ、ミケの言葉に答えるように、トモたちを連れてミケたちのもとへ走った。
それから、人が多く店や遊び場が密集している大通りで買い物をしたり、ゲーセンに行ったりして一日を過ごした。
ゲーセンでミケがプリクラ取ろうって言ったときには驚いたな。それに、取った時女の子に見られてて…楽しかったけど恥ずかしかったな。
こうして、もう日が傾きかけた夕方に俺たちは解散することになった。
「じゃあ俺ら、こっちだから!また明日な!」
「ばいばい!」
ナオとトモはにっこり笑って手を振った。二人の家は道を挟んだすぐそこらしい。
「じゃあ俺も帰る」
くるりと方向転換して行こうとするリョウをミケが呼び止めた。
「あーアキ悪い、俺ちょっとこっち方面に用があるからあいつらには遅くなるって伝えといて!」
あいつら、と言うのには俺たちの幼なじみである本田椿と相川小町のことで、なんでも俺たち二人に折り入って話があるらしい。
…普通なら告白か?なんて期待しても良いけれど、あいつらは普通じゃない。よって告白なんてまあそんな青春ごっこみたいなことはないのだ。
「分かったー…じゃあリョウ、明日なー!」
二人に手を振って返事を返す。ミケとリョウってなぜだか馬が合わないみたいだから心配だ。
まあ今更言っても仕方ない。そう思い、二人と反対の道へ歩き出した。
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