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07
 

「さ、斎藤秋人です!宜しくお願いします!」

べこっと頭を下げて挨拶する。
先輩方は優しいみたいでちゃんと返事を返してくれた…本当は宜しくしたくないんですがね。



「えーじゃー次俺いきます!」

こほんと軽く咳きをしてからミケが言った。

「名前は三谷啓吾です!アキの幼なじみ兼親友やってます」

爽やかな笑顔ではきはきとミケがいった。
ミケは色々バイトとかしてるから、自己紹介は慣れてるみたいだ。



「んじゃ、次俺。
狭間直樹です。ちなみに身長は185cmでまだまだ伸びてますよー」

へらっとした笑みを浮かべながらナオが言った。
うん、だって二ヶ月前の入学は182cmだったし…まだまだ成長期らしな、いいよなあ。



「あ、う、おおお、俺は鈴木智也で、す」

「いーやぁー、ちっこくてかわいーなあ
……ぎゅうーっ!!」

「ひぃうぁああ…っ」


トモは自己紹介を終えた途端に東堂先輩に抱きしめられた。
気に入られたみたいだな…俺も人のこと言えないけど、ご愁傷様。

  
「西岡涼」

それだけ言ってリョウは黙った。
…ていうかフェロモン垂れ流しの二ノ宮先輩がリョウのことガン見してる!!
リョウはリョウでナオと話してるし。




「んじゃあ、飯食べようかーっ」


東堂先輩がトモを抱きしめながら言った。






それからほのぼのとは程遠いメンツと昼ご飯を食べた。
未だに鬼塚先輩の膝に座らされている俺はどうすればいいのか…


ちなみに、とうど…じゃなく英二先輩から先輩たちの名前呼びを強制された。

………怖かった。

だって笑顔で目に見えない黒いオーラっていうか威圧感出してくるからなあ、あの人…



「秋人、」

「あ、なんですか?」

軽く後ろを向くと思った以上に先輩と近くて驚いた。
やっぱり美形は、近くで見ても美形だった。


「放課後あいてるか?」

若干見とれていると微かに顔を赤くした先輩が俺に言った。
俺は、ミケと違ってバイトやバンドとかしてないし、ましてやリョウみたいに塾も行っていない。

用事があるとすれば月・水・金の保育園で子供たちと遊ぶことだ。
ちなみに、今日は木曜日だから暇の一文字だ。

「はい、暇ですよ」

「じゃあ、行きたいとこあるから一緒にいかないか?」


普通の店だから、と付け足して先輩がいった。

怖い店は行きたくない。
だけど普通の店もそれはそれで目立ちそうだ。


「行くよな、アキ」

にこっとミケが言った。
え?なんでそんな爽やかに言っちゃてんの!?


はあ、とつきたいため息を飲み込み、一言。


「行きます」






そんなこんなで昼休みが終わりを告げ、次の授業の準備をするために鬼塚先輩に送られて、六人で教室へ戻った。



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