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仕方ない…こうなったら…


〔待て。〕


〔あらン、ボウヤだけど色男ね〕

〔アタシ達に何の用?これから忙しいんだけどー〕


片方は桃色の鱗、もう片方は薄茶色の鱗を持った雌が草の間から出てきたセインに目を細めた。


〔ボウヤではない…その人間に手を出すな。〕


普段の大きさへと戻しながら少女を庇う様にして立ったセインに一瞬目を見開くもキッと表情を一変させる二匹。

〔やだわ、人間なんて庇うの?〕

〔残念だけど人間の味方は抹殺しなきゃねー。〕

〔そうね、《女王》様に言われてるものね。恨まないで頂戴?〕


貴方が庇うからイケナイのよ?と言い、桃色の龍が炎を吐き出したのを合図に戦いが始まった。


*****


ザザザザザッ

ゴゥッ!

ジュォッ、ブンッ!!

バシッ!


少女の周りに結界を張りながら吐き出された炎を水でかき消し、草原を駆け回って自らの長い尾で飛び掛かってきた薄茶色の龍を沈める。

いつの間にか接近していた桃色の龍の爪が皮膚を引き裂く前に飛び退くと地面の抉れる音と舌打ちが聞こえた。

〔しぶといわね…大人しく抹殺されなさい!〕

〔断る。寧ろ大人しくするのはお前達…だ!〕

〔キャアッ!〕

大きく口を開くと瞬時に魔力を集中させ、直線に細い銀色の光線を放つと不安定だった体勢で上手く避けられなかった桃色の右肩が焼かれ、倒れる。

〔おのれっ…!〕

桃色の悲鳴を聞いた薄茶色が飛び出して来るのを逆に駆け寄って下につくと思いっきり下から体当たりをくらわせた。

腹部への衝撃に耐えられずそのまま薄茶色も倒れるとゆっくりと着地したセインが見下ろす。

〔…同族殺しはしたくない。もう二度と人間に手を出さないと言うのならば見逃してやろう〕


〔………わかったわよ……色男に言われたら断れないわ。〕

〔くっ………。約束するわ…すればいいんでしょ?〕


〔それで良い…去れ。〕

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あきゅろす。
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