3
「《喰らう者》とは、ある特定の人物と真逆の色を持ち瓜二つの容姿をしている吸魔の事だ。」
『ふ〜ん…つまり?』
「そいつにとっての高級なご馳走は自分と瓜二つで真逆の色の相手だということだ。
ドッペルゲンガーに会うと3日以内に死ぬというのはこれから来ているんだ…」
〈あまりの美味さに皆喰い尽くしちゃうからなぁ〜…仕方ないか。〉
『思いっきり危険人物じゃない!!』
セインの説明を聞いて『排除よ!』と叫んだソルティアに困った様な表情をしながらセインの肩を寄せるメシア。
セインに睨まれた。
(…睨んでる癖に体がカタイぞ〜。)
〈まぁそう睨むなって♪取って喰うつもりならアンタはもう生きてないだろ?〉
内心笑いながらも軽くウィンクをすると戸惑う様な視線を送ってくるセインに笑いかけた。
〈確かにちっとも喰いたくないっつったら嘘になるけど、セインを喰い尽くすつもりはねぇよ。〉
『何でよ、悪魔って欲に忠実なんじゃないの?』
〈食欲よりも愛欲なの。俺は♪〉
あいよく…?と一瞬メシアの言葉が理解できなかったセインが固まるとメシアが体を更に引き寄せて抱き締めてきた。
〈セインに俺は一目惚れしちまったんだよ〉
耳元でそう囁かれてから状況を理解したセインが肘鉄をメシアにくらわせ、怯んだ隙に部屋の隅まで逃げ込む。
「ばっ…!馬鹿を言うな阿呆が!私は男だッ!」
〈淫魔には性別なんて関係ねぇぜ?〉
「何を…確かに淫魔には性別は関係ないらしいが、お前は吸血鬼…」
叫ぶセインと呆然として何も言えないソルティアを見てケタケタと笑うメシアがブイサインをして
〈俺、吸血鬼と淫魔のハーフなんだよね♪〉
空気が凍り付いた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!