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バンッ!
「大変だ!!今外で人が襲われた!」
突然開かれた部屋の扉をバッ!と見れば息を切らせたダクーとトバリ、ソルティアが居た。
「私が見るに多分吸血鬼なの!」
「早く止めないと被害が増える…!」
慌てた様子の三人を見て呆然としているも、赤目の青年はニヤリと笑みを浮かべた。
「それなら問題ナイぜぇ。」
「何がよ…それに貴方誰?」
見知らぬ人物に警戒したソルティアは後退しながら睨みつける。
その様子を見て肩を竦め
「俺はメシア…今現在進行形で話題になっテル吸血鬼だぜ♪」
とウインクしながら赤目…メシアは言った。
*****
あの後色々と混乱したりちょっとした騒ぎになったが、セインが目覚めた事によって部屋には落ち着きが戻った。
「それで…お前は何故わざわざこんな所に居るんだ。」
「んー…俺がセイン、だっけ?」
「……あぁ。」
「セインとばったり目が合ったら急に気絶されちまっテな。運んで来たんだ」
「意外と律義ねぇ…。」
「所でメシア君?心なしか言葉がカタコトな気がするんだけど…」
何故かセインの隣を陣取り、トバリに睨まれながらもメシアが語っているとダクーが首を傾げた。
確かに言葉の節々にカタカナが入っている気がする。
何故?という顔に答えようとするとその前にセインが遮った。
「それは…」
「お前はシェオールから来たんだろう?」
「よくわかったなァ…デモ何で?」
ピリピリと警戒するセインの様子に苦笑しながらメシアが首を傾げた。
「お前が魔界語で話しているのを聞いたんだ…」
「ふぅん…?」
疑惑の目線を送られながらも気にせずセインが立ち上がるとコロン、と言う音を立てて懐に入れておいた赤い耳飾りが落ちた。
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