ドッペルゲンガー!?
ラルフside
思ったよりも成果が上がらず、トボトボと宿屋へ帰るとセインの部屋から人の気配。
(やっぱ情報集まんなかったのかな?)
コンコン、とノックして部屋に入るとベッドに腰掛けている黒髪の…セイ……ン?
「あれ?セイン、髪染めたの?」
「コイツはセインって言うのカ…」
…は?
よく見てみれば目の色も青ではなく赤。
そして赤目の右手が置かれている場所はセインの頭。見比べても色以外は瓜二つ。
まさか……
「お前、ドッペルゲンガーか!?」
俺の叫びを聞いた赤目の青年はキョトンとした表情をして此方を見つめてきたのであった。
*****
???side
白銀の髪を持った自分と瓜二つの青年を見た時、コイツだ。と思った。
吸魔にはとある言い伝えがある。
自分の色を反転させた色を持つ瓜二つの者が存在し、それは味から何まで魅力的で全てが欲しいと感じる相手である
…と。
白銀の青年を見た瞬間『全てを喰い尽くし、我が血脈にしてしまいたい』という欲望が渦巻くのを感じたのだ。
でも。
(そんなすぐに満たされて無くなる欲望より、自分の傍に置いて愛を忘れたかのような瞳に愛を捧げたい。)
救世主だなんて名前は似合わないと思っていた。
けど、この白銀の青年を見て悪くはないかも…そう感じた。
その感情の名前は…………。
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