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「あぁ、《女王》の事かい?ちょっぴりだけど知ってるよ。どうにもこうにも原初の龍の血縁者だそうな…」


「《女王》?物凄く人の事を憎んでいるって噂だよ。」


「詳しくはしらないなぁ…ただ、龍の中でもすんごい権力があるらしいぜ?」



セインが街中を尋ねて歩き、集まったのは上のような内容ばかり。

(これぐらいが限界か……)


皆の情報を纏めるべくそろそろ待ち合わせの宿屋に行こうかなどと考えていると突然悲鳴が上がった。


「…!路地裏か?」


人より優れた聴力で声の発信源を聞き分けると走り出した。


後は角を曲がれば問題の場所に到着する。しかし、突然ピタリと足が動かなくなった。


(行きたくない……のか、私は…何故だ…)


どうしようもできずに戸惑っていると何かが動く気配。
無意識に気配を消して感覚を鋭くし、小さな音も聞き逃すまいとしていた。


〈さてと、いただくとするか。〉

聞こえて来たのは聞き覚えのある魔界語。魔界の住人が何故ここへ……?

皮膚が貫かれる小さな音と同時に何かをすする音が聞こえてくる時には全身の細胞が危険信号を発していた。
ただそれだけで緊張する。


(まさか………)







〈…誰だ。〉



セインの全身が硬直した。



足音が近付いてくる。


赤と青の目が合わさった瞬間、時が止まったかのように互いに動かなくなった。


〈…へぇ、アンタが……〉


色が反転した自分と瓜二つの顔が妖しく笑みの形に歪み、自分の頬に手を添えられるとともに意識が暗転していくのを感じた。

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あきゅろす。
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