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しばらく二人はギルドの方針や現状等の話をし、ふとセインが月を見上げた所であっ。とラルフが声を上げた。
「…どうした?」
「ん、いや…入団して初めての依頼で出逢った龍を思い出したんだ。」
「…龍?」
キョトリとするセインに笑いかけるとラルフは語り始めた。
「今まで見たことがない綺麗な白龍でさ…。その龍も今みたいに月を見上げていたんだ。」
「なんていうか、セインってその龍に雰囲気が似てるんだよね。」
だから思い出したのかな、と笑うラルフに目を合わせながらセインは目を細めた。
「……。どのように似ているんだ?」
「そうだなぁ…上手く説明できないけど、なんていうか…神秘的?」
「そうか…。」
不意にセインが立ち上がったので不思議そうに見上げる。
「どうした?」
「そろそろ冷えてきた…部屋に戻る。」
そう言って宿舎に向かうセインを見送りながら
「おやすみ!」
驚いたような表情で振り返るセインにニコニコ笑みを浮かべながら見返してやれば少し戸惑った様な小さい声で「おやすみ…」と返してくれた。
セインの姿が見えなくなった所でラルフは頭の後ろに腕をやりながらニヤリと笑みを浮かべた。
「もしかして、慣れてないとか?」
柔らかい風が中庭を吹き抜けた。
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