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巨体を唸らせハンター達に襲いかかる巨大なトカゲとそれに応戦するハンター達。
銃声、轟音、斬撃、咆哮――そして悲鳴。
次々に負傷して戦えなくなったハンター達が運ばれて行くのを見ながら未だに自分へは攻撃してこないタイラントリザード達を見て賢い、と思った。
――…警戒しているのだ。
屈強な大剣を振り回す巨漢にはすぐに飛び付くも、明らかにセインだけは避けられていた。
(ただの巨大なトカゲという訳ではないようだな……力量の差をよく理解している。)
気付けば既に立っているのは自分一人。
太陽は頂点に達していた。
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(何か違和感があるな…)
次々に運ばれていくハンター達を視界の端に捉えながら審査員、ラルフは戦場を見渡していた。
どこか違和感を感じるのだ。
何かがおかしい……。
(……そうか、リザード達がセインを避けているんだ。)
丸腰でぴくりとも動かずその場に佇むセインはどう見ても絶好の的の筈だ。
なのに何故避ける?
ジィ、とセインを観察していると気付けば戦場に立っている者はセインのみ。
その他のハンター達は運び出され、リザード達がズシ、ズシ…とセインを囲んで様子を伺っている。
その時、ようやくセインに動く気配が出た。
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