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ラルフはセインの言った理由にまだ満足していないのか身を乗り出して来た。

「でもさ、わざわざギルドに入らなくても世界を知ることは出来るんじゃない?」

「ギルドなら龍や魔物と接触する機会が多いだろう?世界を知るというのは何も人間の世界だけではない、ということだ。」

これ以上話すつもりはないという意思を伝えると、時計へ目線を遣った。


そろそろ開始時刻だ。

「あーっと…まだ納得出来ないけど、そういう事にしておいてやるよ。



…皆!集まってくれてありがとう。今回は予想以上に集まってくれたみたいだな!
俺はラルフ、審査員だ。よろしく!」

ラルフは不満そうにしながらも南口の中央に立って試験の内容説明を始めた。

「試験内容は実力審査!皆には一人ずつ街の外にある訓練所であらかじめ用意されているモンスターと戦って貰うよ。

たかが試験だといって油断しないように!用意したといっても相手は野生のモンスター、手加減なんてしてくれないからな!

…それじゃあ、訓練所に移動しよう。」


ぞろぞろとハンター達が南口から出ていくのが遠目に見える。
セインは最後尾についた。



*****


―訓練所―

入団希望者達が訓練所につくと、森の木々によって街の姿は見えなくなっていた。

(なるほど…ここなら暴れても問題ない、ということか…。)


「使用武器は自由!魔法から剣まで好きに使ってくれ。

そして今回用意したモンスターは《タイラントリザード》!手強いぞ〜、何人かのグループに別れてコイツらをやっつけてくれ、それじゃ!健闘を祈る。」

ラルフが説明を終えると数々の檻から一斉にタイラントリザードが放たれた。

(つまり生き残れ、と。噂通りだな…)

さっさと安全な所へと避難するラルフから視線を外すと、辺りで唸る大きなトカゲ達を見た。

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