月夜に瞬くは銀の色
さわさわさわ
川が流れる夜の森道を小さな馬車が通っていた。
馬車の横には《魔狩り》の文字が刻まれている。
「確かここいら辺に居るんだっけか?」
「おうよ!情報が正しけりゃ居る筈だぜ。なんだ、ビビったのか?」
違うって!からかうなよーという声と笑い声が夜の森に響き渡る。
ガタン!!
「どうした!?」
突然馬車が揺れ、次いで中から巨大な剣を持った男が飛び出した。
馬車の後ろから前へと回り剣を構える男の姿が、満月の光によって映し出される。
雑に切られている茶色の髪(右側の髪は少し長く髪飾りが付いている)、意思の強さが伺える金色の瞳、茶色のマントを羽織った青年…ラルフは愛剣を構えた。
ラルフの視線の先、木々に月明かりが遮られているにも関わらずに白く光る『モノ』
それは純白の体毛をもち、青いたてがみの龍―――…
遅れて出てきた男達も武器を各々に構え、時を止めた。
…――《ケタ》が違う
本能で察したハンター達は息を呑み、睨みすえる。
白龍から滲み出る『気迫』は、暗闇の中でもぼんやりと光として放たれていた。
白龍がちらり、と睨みすえて動かないハンター達を見た。
緊張が高まる。
ザザァ、と風が木々を揺らした。
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