記憶の中で
2
「東矢。」
「はい?」
なんだ?
「だから、俺の名前は東矢だ。」
「知ってますよ。ところで先生…何気にサボってますよね?」
あ、先生の名前は藤崎東矢(ふじさきとうや)先生。
見た目はチャラいけど、生徒思いで、生徒にめちゃ人気がある。
まぁイケメンていう理由もあるけどな。
180以上ある長身に金髪。
前髪に黒のメッシュを入れ、鼻筋の通った鼻に、切れ長の目。
でキャーキャー言われてる。
「そうじゃなくて、東矢って呼べよ。それにサボって何が悪い。」
あぁそういうことか。
教師あるまじき発言が聞こえたけど、気にしないでおこう。
てかナチュラルに会話してるけど
「俺、先生とそんな話たことないですよね?」
なんでまた突然に?
「いいから、名前で呼べ。」
そういうこと他の子に言えばいいのに、喜むと思うよ。
「ん〜分かりました。東矢先生。」
あんまわかんないけど。
「敬語。」
今度はなんだ!?
「敬語で話さなくていい。普通に喋ろ。」
なんてわがままな東矢先生なんだ。
「わかり…わ、わかった。」
東矢先生のお願いに仕方なく答える。
するとガシガシと乱暴に頭を撫でられた。
見上げたら、嬉しそうに笑う東矢先生が居た。
うわぁそんな顔出来るんだ。
不覚にもときめいてしまった。
「押し、千鶴。サボりもほどほどにしろよ?じゃあな。」
そう言って屋上を後にする東矢先生。
「……まさかこの為に来た訳じゃないよな?」
あ、てか俺の名前言ってなかったな。
俺は神埼千鶴(かんざきちづる)
この東峯学園に初等部からいる。
今日から高2だ。
ちなみに期待してるとこ悪いけど、俺はいたって普通の顔だからな。
別に期待してないって?
真っ黒な黒髪に真っ黒な目。平均的な身長。
いや特徴なさ過ぎて、これ以上説明出来ない。
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