記憶の中で
5
────…
ガラガラ─…
「失礼しまーす。」
あれから授業中にもかかわらず、二人に長時間も説教された。
各授業の先生泣いてたぞ?
「東矢先生?」
東矢先生に呼ばれて来たものの、誰も居ない。
呼び出しといて、本人が留守とか。
「………。」
数分待てど現れない。
帰ろ。
「何帰ろうとしてんだ。」
俺が帰ろうと後ろを振り向いた時に丁度、東矢先生が出てきた。
……もう少し後に出てきてくれたらよかったのに。
「先生、俺そんなに成績悪かった?」
俺普通だと思ってたんだけど、なんせこの学園レベルが高いから、俺みたいな普通でも、アホな分類に入るのか。
「何の話だ?」
はあ?と、訳分からないというような顔をした。
「え、だって俺を呼び出すのってそれぐら……もしかしてサボってること!?ごめん。無理。直んない。」
サボり魔からサボりをとったら、何になる。
ただの魔じゃねぇか。
「ちげぇーよ。仮にそうだとしても、直せよ!」
これだよこれと、今まで見たことのない大量に積み重なった紙の上にポンと手を置く。
恐る恐る東矢先生の顔を見ると。
ニッコリと笑ってらっしゃる。
……嫌な予感。
「来週の交流会の栞だ。全校生徒分ある。んでお前はこれをまとめて、ホッチキスで止める。明日の朝までにな。」
やっぱり!!
てか、この量を明日の朝までとか鬼か。
そもそもなんで俺?
もしや、このために俺に近づいたのか!
パシリ確保か。
なんということだ。
「東矢先生とやっても、明日の朝まで間に合わないだろ。」
どうみても二人じゃ無理。
徹夜したらいけるんだろうけど、俺が徹夜とか無理。
「誰が俺もやるって言った。」
は?
「何、これ全部一人でやれと?」
「ぁあ。俺は他にやることがあるからな。」
え、マジ?
「嘘だろ。無理。てかなんでこんなギリギリなんだ。」
そうだよ。いくらなんでも遅すぎる。
「仕方ねーだろ。生徒会の奴らが、例の外部生来てから全く仕事しやがれね。」
呆れたように言う東矢先生。
え、これ本来は生徒会の仕事てことか!?
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