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くま10★
ベルトが緩められてから、ズボンが脱がされるまでは本当に一瞬の出来事だった。
手が使えない状況で、出来る抵抗なんて限られてる。
それでも。
「や…っ、そこ、は!」
下着に手をかけられたときには、流石に全力で抵抗をした。
みっともなく足をバタバタさせて。
迫る手から逃れるべく腰を動かした。
「今更暴れるな」
「ひゃ、ん」
あろうことか。
高野さんは下着の上から俺のそれを触ってきた。
すっかり力の抜けてしまっている間に、
最後の衣服が、はぎ取られてしまった。
さっきイったばかりの、
まだ湿っているそこが。
高野さんの目の前に晒されている。
「見ないで、ください」
「へぇ……でもここは」
見られて感じてるみたいだけど、と。
高野さんの手が、俺の陰茎に触れた。
「つ、ぁ、やめ、」
根元から先の方まで。
つぅっ、と
裏筋を、なぞる。
「あ、ぁ!」
「こんなに濡らして」
そうして。
俺のいやらしい液体のついた指を、舐める。
「また、イきたい?」
そんなわけない。
そう、抗議する暇さえ、与えてもらえなかった。
高野さんの顔が、
俺のあそこに近づいていって。
「たかのさ、やめ……あぁ!」
俺の陰茎を、咥えたのだ。
「う、はぁ、あっ」
ちゅ、
ちゅ、と音をたて吸い上げ、
舌の先っぽで、
全体で、
舐め上げ、
喉の奥に先端を擦り付ける。
気持ちいい。
気持ちいい。
そんなに、されたら、
俺…っ。
出し入れされるスピードが上がる。
腰が自然に動いてしまうのを止められない。
「イ、く、ぁ、イっちゃ、う!」
出る、
そのタイミングで。
高野さんの口が、離れていった。
「なん、で」
あと少しなのに。
あとちょっとの刺激で、イけるのに。
どうして、こんな。
高野さんの視線を感じる。
俺を、見てる。
見てるんだ。
「お前さ、」
「自分がいまどんな顔してるか、わかってる?」
「え…?」
ツン、とひと突きだけされる。
声が出そうになるのを、
なんとか耐えた。
「選べよ、律」
「10年前みたく俺と付き合うか、俺に監禁されるか、選べ」
「な…」
何を、言ってるんだ。
そんなの、
どっちも選べるわけない。
「そしたら、イかせてやる。ここを、楽にしてやる」
ずるい。
ずるいよ、高野さん。
俺にはどちらも、選べやしないのに。
こんなの。
悪魔の契約だ。
「俺は…」
ごくり。
喉がなる。
高野さんの視線が刺さる。
俺の答えを待っている。
「俺には、どっちも選べません」
そう。
選べないんだ。
どんなに高野さんが望んだって。
俺はそれを、選ぶわけにはいかない。
「そうか」
「それが、お前の答えか」
高野さんの目が、
すっと細められた。
それは
新たな狂劇の、はじまりを意味していた。

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あきゅろす。
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