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……………4




「もしもし?……あ、本当にすぐ連絡来た」

 夜、家でテレビを見ていたら彼からの予告通り本当に連絡があった。

「何か用?」
 ――いや、番号教えてもらったから、せっかくだしかけてみただけ
「ははっ、何それ。そういや聞いたよ。雅則君首席で入学だったんだって?」
 ――おー、そーだよ。すごいだろ
「すごい、すごい。ちょっとムカつくよね」
 ――何でだよ
「だって全然頭良さそうに見えなかったのに、騙された気分だよ」
 ――ひっでーなぁ
「あはは、やっぱ恵に勉強見てもらったりしたの」
 ――むしろ逆よ?オレの方がたまに恵に教えてんのよ?
「うっそだー」
 ――嘘じゃねぇって。てかそもそも恵、一緒に勉強するの嫌がるし。華江ちゃんどうやって口説き落としたの?
「口説き落としてなんかないよー。恵から誘ってくれたんだよ」
 ――それこそうそだー。オレ前恵と宿題しててすごく邪魔者扱いされたもん
「えー?何か信じらんないなー。雅則君が本当に邪魔してたんじゃなくて?」
 ――邪魔なんかしてないって。ま、それでも何だかんだ理由つけて一緒に勉強できるようにこぎ着けてたんだけどね
「そんなに恵のコト好きなんだー?」
 ――うん。好きだよ
「うわっ、さらっと答えたね」
 ――だって本当のコトだもん。愛してるよ
「ははっ、雅則君そっちの人だったんだ」
 ――そっちってどっちよ?言っとくけど両想いだかんな
「えー?でも恵、恋人いないって」
 ――そりゃそうだろ。親友として両想いなんだから
「……?あぁ、愛って友愛の方?恋愛じゃなくて」
 ――おぅ
「紛らわしいなぁもう」
 ――愛は愛だろー

 …………
  …………
   …………
    …………
     …………

 ――本当だって!マジで!マジで怖いんだからな恵の怪談!
「あはははっ!だとしても怖がりすぎだよ、雅則」
 ――んなことないって、今度聞かしてもらえよ。マジで怖いからな!
「うっ、ごめんなさい。怪談苦手です」
 ――なんだよ人のコト言えないじゃん
「や、でもお化け屋敷とかは平気なんだよ」
 ――え〜?本当に〜?
「本当、本当」
 ――んじゃ、今度一緒に行ってみる?
「雅則と?二人で?何で?恵とってならともかく」
 ――何でって……オレって華江にとって何?
「何ってそりゃあ……友達の友達?」
 ――……うわ、地味にショックだ
「だって本当のコトだしー」
 ――あー、何か恵に訊いた時のコトまで思い出した……凹む
「えっ?恵にも訊いたことあんの?何つってた?」
 ――長〜い沈黙の後、友達?って疑問系で答えられた……
「あはは、友達って思われてなかったんだよ、それ。両想いだって言ってたくせに!」
 ――今は両想いだもん!てかその時だってオレは親友だと思ってたのに!
「あははっ!」
 ――つか、華江だってもう友達だろ!こんなに長時間盛り上がっといて、友達じゃないなんてあり得ない!
「え?……あっ、嘘っ!もうこんな時間!?」
 ――気づいてなかったのか?
「気づいてるわけないじゃん!明日、二限からあるのに!」
 ――二限からなら余裕じゃん。もっと話そうよー
「無理だって。無理無理!もう寝るから!おやすみね」





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