01.明日はただの入学式…
――好きな人ってのはねぇなまえちゃん、気づかないうちにできてるもんなのさ――
昔おばあちゃんから聞いた言葉。(ちょうど一年前に死んじゃってもうこの世にはもういないけど……。)
私は優しくて温かいおばあちゃんが大好きだった。
でも、時々よくわからないことを言い出したりする。さっきの言葉のようにね。
『好きな人……か』
「は? お前好きな奴いるの?」
『え、いないけど』
いろいろ考え込んでいる内にどうやら独り言を言っていたみたいだ。
それに突っ込んできたのは沢田綱吉、通称ツナ。私の幼馴染。
ちなみにここはツナの部屋だったりする……。
『でもほら、私たち念願の高校生に明日からなるんだよ? 彼氏の一人や二人できたらいいなーって思って』
「お前に彼氏? ないないない……おいリボーン賭けしようか。この先なまえに彼氏ができるかどうか」
「いいぞ、俺はできない100万だ」
「じゃあ俺はできないに1億……ってこれじゃあ賭けにならないじゃん」
ゲラゲラとバカ笑いするツナとリボーン。
このクソガキ共、また私をバカにしやがって………。
た、確かに今まで彼氏なんてできたことないけどさ! それは中学校が女子中だったわけであって!
「いい訳だなそんなの」
『勝手に人の心読むな〜!』
「お前なんて心読まなくても、顔見れば大体何考えてるかわかるんだよ」
『〜っ! 絶対彼氏作ってやる!』
「まあせいぜい頑張れよ」
フッと鼻で笑ったツナはベットに寝転び漫画を読み始めた。
くっそうムカツク〜! ツナだって彼女作った事ないくせに!
でもこれ言ったら、別に興味ないし。とかいいそうだな……。
「しかしなまえも並盛高校に進学するとは思わなかったぞ」
『やっぱ並高が家から一番近いしね。うん』
「志望してた女子高落ちただけだろ」
『ぐっ……どっからその情報を……』
漫画に夢中になってると思っていたツナがいきなり話に口を挟んできた。
しかも禁句を口にしたぞあいつ。
なんで落ちた事しってるんだよ! 誰にも言ってないのに私!
「なまえの母さんと俺の母さんが話してるの聞いた」
『お母さんんんんん!!』
「それよりお前ら明日は高校の学力テストがあるみてぇだが勉強はいいのか?」
「明日はただの入学式だろリボーン、テストなんてないよ多分」
『そうだよ! 私明日の予定の書いてあるプリント持ってきたけど、ほら入学式終わった後クラス発表して各自教室に入り学力テスト……え?』
「そうだろ、国数英3教科みっちりあるぞ」
「『ええええええええええええ!?』」
早くも嫌になってきた高校生活……。
はたして私に素敵な彼氏はできるのか!? 乞うご期待!
「だからお前には無理だって」
『心読むなあああああああ!!』
見くびられたもんだ!
(絶対絶対絶〜対、いい彼氏見つけてやる!)
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