Confusion!!(修正前)
2.
「べ、別に……
好きだから1番後に残して纏めて食べようと思っただけですよ」
私がそう言って強がってみせると、折原さんは黒い微笑みを浮かべた。
この顔は嫌な事を考えている顔だ。
私の頭の中で警鐘が鳴る。
「へぇー?そっかあ、珠音はミニトマトが大好きなのかあ。じゃあさあ、」
今まで向かい側に座っていた折原さんが私の横に移ってくる。
「早くそれ食べちゃいなよ。好きなんでしょ?俺もあんまり時間ないし、珠音が食べ終わるの見届けたいからさ」
……やっぱりこの人に嘘は通用しなかった。
暫く微妙な沈黙が続いたが、私が先にそれを破った。
「お……折原さん」
「ん? 何?」
「……嘘をついてスミマセンでした」
私がそう言うと、折原さんはクスリと笑って「俺に嘘をつこうだなんて100年早いよ、馬鹿だねえ」と言ってから私の頭をポカンと叩いた。
「で?
何で君はわざわざ自分の嫌いな物を朝食に入れたの?」
私はコレを言おうか少しだけ迷ったけど、一息ついてから口を開いた。
「……試したかったんです」
「試す?」
折原さんが怪訝そうに私を見る。
「貴方の……折原さんの、情報屋としての能力を」
私の言葉に、折原さんが少しだけ目を見開く。
そしてー楽しそうに、愉しそうに、口を歪めて嗤った。
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