[携帯モード] [URL送信]

Confusion!!(修正前)
2.
「べ、別に……
好きだから1番後に残して纏めて食べようと思っただけですよ」


私がそう言って強がってみせると、折原さんは黒い微笑みを浮かべた。
この顔は嫌な事を考えている顔だ。
私の頭の中で警鐘が鳴る。


「へぇー?そっかあ、珠音はミニトマトが大好きなのかあ。じゃあさあ、」


今まで向かい側に座っていた折原さんが私の横に移ってくる。


「早くそれ食べちゃいなよ。好きなんでしょ?俺もあんまり時間ないし、珠音が食べ終わるの見届けたいからさ」


……やっぱりこの人に嘘は通用しなかった。

暫く微妙な沈黙が続いたが、私が先にそれを破った。


「お……折原さん」

「ん? 何?」

「……嘘をついてスミマセンでした」


私がそう言うと、折原さんはクスリと笑って「俺に嘘をつこうだなんて100年早いよ、馬鹿だねえ」と言ってから私の頭をポカンと叩いた。


「で?
何で君はわざわざ自分の嫌いな物を朝食に入れたの?」


私はコレを言おうか少しだけ迷ったけど、一息ついてから口を開いた。


「……試したかったんです」

「試す?」

折原さんが怪訝そうに私を見る。


「貴方の……折原さんの、情報屋としての能力を」


私の言葉に、折原さんが少しだけ目を見開く。

そしてー楽しそうに、愉しそうに、口を歪めて嗤った。

[*前へ][次へ#]

2/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!