Confusion!!(修正前) 1. 「折原さん、今日もまた池袋に行くんですか」 翌日。 私は朝食のクロワッサンを頬張りながら折原さんに尋ねた。 「んー、そうだねぇ…… 俺は池袋に用事があるから行くけど、君はここに残っててもいいよ。 ……あ、そうだ、もしここに残るならさ、ちょっと頼みたい事があるんだけど」 「私は特に何の用事もないので、頼まれてあげても良いですよ」 「……ハッ、何その言い方。珠音ってもしかしてツンデレ?」 「……折原さん、一発殴らせて下さい」 「冗談だって」 あぁ、疲れる…… 本当に彼は人間の神経を逆撫でする男だ。 私は大きな溜息をつくと、最後に皿に何個か残ったミニトマトを頬張りながら、「それで、何をすればいいんですか」と尋ねた。 「そこにある書類ーアレ、ページがバラバラになってるからさ、順番通りに並べて、それをあの棚の箱の中に入ってる封筒に入れておいてくれない? あ、封筒の表にはこう書いといて」 そう言って折原さんはメモ帳とボールペンを取り出し、そこにサラサラと何かを書いて私にメモを差し出しす。 そこには『矢霧製薬 第六開発研究部主任 矢霧波江様』と書いてあった。 「解りました」 私が言うと、折原さんは「ああそうだ」と言ってポンと手を叩いた。 「その封筒に書類を入れたら、俺の郵便受けにその封筒入れといて。 多分誰かがその封筒取りに来るだろうから」 「了解しました」 「それとさ、」 何だ、まだあるのか。 私は内心げっそりとする。 「君、ミニトマト嫌いなの?」 「……は?」 予想外の事を聞かれ、私は素っ頓狂な声を上げる。 「ほら、だってさっきからミニトマト食べる時、ちょっとだけ嫌そうな顔してるじゃないか。だから嫌いなのかなぁと思って。 ……っていうか、何で君が朝食作ってるのに、君自身が嫌いな物を入れるのさ?やっぱり珠音はそういうとこズレてるよね」 ……この人は本当に何でもお見通しだ。 [次へ#] [戻る] |