B
「あれ?カノンノ?」
ムヨは知らない部屋で目覚めた。
「あの娘ならいないぞ」
「え、ウィダーシン!?」
「久し振りだな、ムヨよ」
「ボクをどうするつもりだよ!!」
「安心しろ。手荒な真似はしない」
「そんなの信用出来るわけないよ!」
「私はお前を買っているのだ。私と共に来ないか?ムヨ」
「行かないよ!だってあなたは間違ってるもん!」
「もし自分の世界がギルガリムと同じ状態になってもそう言えるのか?」
「言えるよ」
即答したムヨにウィダーシンは驚く。
「貴様は……自分の世界が大切ではないのか?」
「大切だよ。大切だから裏切る真似はしたくない!例えそれが、間違ってても……ボクは他の世界を犠牲になんかしない!だってボクには、レド兄やアル兄やルキやみんながいる!だから絶対に世界を救えるって信じてる!」
ムヨはそこまで言うと微笑んでウィダーシンに歩み寄った。
「っ!来るな、」
「あなたは、ボクの友達と、カノンノと同じなんだ」
「そんなことはない!」
「あなたも一緒に、ボク達とこの世界やモルモの世界やカノンノの世界を救おう?もちろん、ギルガリムも……カノンノが気付けたこと、あなただって気付けるよ!」
「……私は、今さらやめるわけにはいかないのだ!」
「わっ!」
ガッと急にウィダーシンがムヨの首を掴んだ。
「やっぱり嘘じゃん!」
「黙れ!!そんなに仲間を信じるなら助けを呼べばいいだろう!!」
「……ねぇ、ちょっと、ホントに苦しい」
いつもポーッと明るいムヨが苦しそうにした。
「けほっ、けほっ」
本格的に息が出来なくてムヨは死にそうだった。
「!」
突然ウィダーシンが手を離した。
「けほっ、けほっけほっ」
「……何故だ?何故、私は貴様を殺せない?」
「え?」
ムヨがウィダーシンを見上げるとウィダーシンは目をそらした。
まだまだ続く!←
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