(アイリリー解放直後)
「カノンノ!」
街の入口付近にいた少女にレッドが駆け寄る。
「あ、レッド!おかえりなさい!今日は一人?」
「そうだよ。たまにはいいと思ってさ」
「そうね!レッドは強いものね!」
「そんなことないよ」
レッドは照れくさそうに笑った。
「何してきたの?」
「修行だよ」
「え?レッドはもう、十分強いじゃない」
「まだまだだって」
「そんなことないわ!」
「だって俺、もっとカノンノの力になりたいんだ」
「え?」
「早く蝕むモノを止めないと、どこかわからないカノンノの故郷もなくなっちゃうだろ?だから、俺はもっと強くならなきゃ」
そうレッドが言うとカノンノはクスリと笑った。
「ありがとう、レッド」
「本気にしてないだろ?」
「してるわよ」
「いや!絶対してない!」
「んー……まあ、ちょっとしてないかな」
「やっぱり!!」
俺は本気なのに!!とレッドが叫ぶ。
「だって、あなたはアイリリーを救ったのよ?」
「俺一人の力じゃねぇし」
「ふふ、レッドのそういうところが好きよ」
「すっ!?」
レッドが赤くなったのを見てカノンノは慌て出した。
「あっ!そ、そういう意味じゃないわ!!」
「わ、わかってるって!」
「……レッド」
「ん?」
「私の過去がどんなでも、あなたは変わらないでいてくれる?」
「当たり前だぜ!」
「……ありがとう」
カノンノが笑うとレッドは少し赤くなった。
「あ、そうそう!さっきね、イチゴをもらったの!一緒に食べましょう?」
「イチゴ!?俺イチゴ大好き!!早く行こうぜ!!」
レッドは嬉しそうに歩き出した。
「……強く、か」
「カノンノ?」
「あ、なんでもないの」
カノンノは笑いながらレッドに聞こえないように呟いた。
「レッドは強いよ。私はあなたにずっと支えられているもの」
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