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おかえり/すもも/優介
優介がしばらく「ぶじゅつのしゅぎょう」か何かで休んでしまった。
連絡は一切なし。
こっちから送っても返ってこないし。

もう優介なんて、こっちから別れてやるんだから
何度思ったことか。でも別れられない。だって優介が好きだもん。

そのうち不安になる、
生きてるのかな。
死んでたらどうしよう。

だってそう思わないほうが不思議でしょ。
連絡ないし
長い間学校も来てないし。


優介
会いたいよ。


「名無し、ただいま」

「え」


今、私は自分の居場所を確認した。

自分の部屋だ。
自分の大好きな物が置いてあるし
見慣れたベッドだって置いてある。
うん、制服だってあるし。

そしてベッドの横には窓。



そして優介。



「は!?」

「久々に会ってそれかよ…」

いや。誰だってそうなるでしょ。

「ただいま。またすぐ行くけど」

「何で?」

「ちょっと抜け出してきた。名無しに会いたくなったから」

あ、会いたくなった。…は?

「あ、あのねぇ」

「何」

「会いにくるのが遅い!」

声を荒げると、いつの間にか泣いていた。
ああ、優介だ。会いたかった人が目の前にいる。

「心配させて、何でそんな平気な顔してるのよ
 こっちは寂しかったんだから…」

いろいろ言いたいことはあった。
けどその前に優介のぬくもりがあったから言えなくなった。

「ごめん」

「ばかぁ…」

「次はちゃんと連絡するから」

「うん」

髪の毛を掻き分け、額に唇をつけられる。

「ここは今度な」

そういって指されたところは唇

「…バカっ」

「はは。じゃあ行くね」

「あの」

「?」


言わなきゃ


「おかえり…、で。いってらっしゃい。帰ってきてね」

「…うん」


そう言って彼は笑った。
笑顔にビックリした時にはもう居なかったけど。


ね、優介。
今度会ったらちゃんと、ゆっくり抱きしめてね

終わり

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