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次/遙かなる 弁慶/シリアス微甘 神子じゃないよ


「君は、帰ったほうがいい」


そう言われたのは、つい最近。
神子や八葉のみんなが必死に戦っている中、

私だけが何も出来ないままみんなと旅を続けていた。



何度も死んでいく人を見た。
何度も服に赤い液体がついた。
何度も泣いた。


人が死ぬのも
怨霊が増えるのももうまっぴら。


役立たず。
彼はそう言いたかったのかもしれない。
けど優しいのね。本音は言わないのよ。


「言ってくれたら、…吹っ切れました」


その優しさのせいで
諦められないのね。

意地悪。


「わかりました、私…、旅から外れます」

「…ええ。その方が、名無しさんにとって安全ですし」


一言、言ってくれたっていいのよ。
私にとっても
貴方たちにとっても、安全って。
もう役立たずを守る必要はないでしょう。


「ずっと好きでした」


弁慶さん、貴方が。


「…君はいけない人だ」

「……」

「そんなこと言ったら、我慢…出来ませんよ」


そう言ってから、そっと私の頭を撫でた。


…なんでよ
涙が出るじゃない。


「きっとみんなは、名無しさんのところに帰ってきます、信じていてください」

「弁慶さんは?」

「……信じていてください」


そう言って、弁慶さんは私の手の甲に唇をつけた。


「私はみんなが帰ってくること、信じてます
 もちろん、弁慶さんも帰ってくること、信じてます」



「ありがとう」



次は泣かない。
次泣くときは、嬉し泣き。


弁慶さん
私は…。


続きは、次出会ってから


終わり


遙かなる時空の中で3
弁慶ルートをやりはじめた記念で書きました。終わってから書けよとか突っ込みはなしで。
二次元は敬語キャラがツボらしいです。
ハマりそうな雰囲気プンプンするので語れる人がいたらいいなぁとか思ってます


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あきゅろす。
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