Long 『HUNTER×HUNTER』
2
「たたた、助けてくれぇ!!」
ヒソカの顔は俺からは死角になっていて見えないけど、恐らくこわーい顔してんだろうな。
今にもすっぱり、そいつの首を吹っ飛ばしそうな位に。
「気を付けようねぇ…人にぶつかったら謝らなくちゃ」
ジョーカーのカードを口元に、ヒソカはいやーな笑みを浮かべた。
俺は壁にぶつけた鼻先をさすりながら、確かにとか思っていた。
油断してた分、痛かったんだからな!?
「ヒソカ?俺、もう行くな」
ヒソカにそう声を掛けると、返事も聞かずにその場を立ち去った。
だって、俺の記憶が確かなら、この辺りの一部始終はゴン達に見られてるはずだ。
ヒソカの仲間だと思われて警戒されたら、近づきづらいしな?
その後、俺はふらふらと歩き回った。
そしたらすぐに鳴り響く目覚ましみたいな音。
全員の注目が集まる。
舌を引っ張ると鳴るらしいマスコット?を持った素敵ヒゲのおじさんが現れた。
・・・口は何処ですか?
「只今を以て、受付時間を終了します」
すーっと降りてきたその人は、とんっと地面に着地すると続きを話し出した。
「ではこれより、ハンター試験を開始致します…こちらへどうぞ」
そう言ってスタスタと歩き出すおじさん。
・・・あれ?おかしいな。
やっぱり、思い出せない。あれは、誰だ。一次試験は、なんだ。
あ、やべ。みんな行っちゃった。
俺はみんなの後から歩いた。
ぼーっとしながら、取りあえずついて行く。
後ろの方にいれば、ヒソカはいないだろ、なんて思いながら。
そう思っていたら、だんだんとペースがあがる。
ふと、一次試験の試験管が自己紹介を始める。サトツさん、ね。
歩いてるのに、上下に動かなーい。
喋っているのに、口が動かなーい。
不思議なおじさん、サトツさーん。
あー暇だー。
あ、なんか話し声が聞こえる。
その話し声の方に向かって言ったら、案の定。ゴン達が居た。
「君達もルーキー?」
話しかけたら、愛想良く頷くゴン。
なんだか、飼いたいな(笑)
「うん!君も?」
「そ。さっきの話しがちょっと聞こえてさ?」
なんて、言ってみたりして。
あれ、でも、なんで俺はみんなの事知ってるんだっけ?
「どうしたの?疲れた?」
「ん?いや、あの、君が知り合いに似てたから思い出してたんだ」
まあ、一応、嘘じゃないよな。
苦笑混じりに誤魔化したら、それでもゴンは信じたのかそっかと言って話し出す。
「俺はゴン!12歳」
「俺はユウキ。歳は15だよ」
そう言ってよろしく、と言えばゴンも笑顔で返してくれる。
うん。いい。
なんて思ってたら、ゴンが順番に指差して教えてくれる。
「クラピカと、レオリオ。それと、トンパさん」
「そっか。よろしく♪クラピカ、レオリオ…トンパさん」
笑って言えば、みんな少し赤面して返してくれる。
疲れてきたのか?
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