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Long 『HUNTER×HUNTER』

あの後、どんどん上がってきた俺はお金もそれなりに手に入ったし、今日は買い物に出かけることにした。

だって、着替え(洗って着回すのは疲れたし、制服はもう嫌)だって必要だし、身の回りの…日用品位は買いそろえたかった。

なんて頭の隅で考えながら、周りの会話にこっそりと耳を立てつつ(これはもう癖だ)エレベーターに乗った。
ハンター試験…何回か聞いたけど、もう少しらしい。いつ?





ざわざわと活気のある街に出てみれば、この前には気付かなかったところにも目がいく。
ここらでは珍しい雰囲気の古風な建物や、お子サマ厳禁っぽい雰囲気の建物…コロシアムないのかな?

そんなどうでもいいような些細な事がどこか面白くて、辺りを見渡しながら歩いた。
・・・道場とかは?

とりあえず、手頃そうなどこにでもありそうな服屋に入り、何枚か手に取る。
基本シンプル、且つスポーティー☆俺の好みっぽい店だ。

こっちの黒いのとあっちの白いの、それとそこの薄手のパーカーもいいな。
なんて適当に手に取ってみるけれど、本当にあまりにも"適当"なセンスに自分でも首を傾げた。

・・・センスが悪いのも否定は出来ないが、俺はそれよりも動きやすさや着心地を重視する派だ。

適当に決めたらレジを済まして、店から出たら炎狼(この前の試合後に思いついた)を呼び出して、背中の無限の鞄の中に突っ込む。

うん。この能力にして良かった。
便利だし、狼って見た目が格好良くて見た目は好きだ。





そのまま歩いていたらあったアクセサリー店で、ふと目に止まったピアス。
耳の後ろ側から3つの犬っぽい爪が耳たぶを覆うような形で、俺と目があった瞬間に光った気がした。

ピアスなんて開けたこと無かったし、興味も無かった。
けど、何故かそのデザインに惹かれて、店員に開けて貰ってまでして買ってしまった。

ウルフファングという名前だったそれは、狼型という訳でもないのに、どこか炎狼に似て感じて…買ってしまった。
能力向上になるんじゃね?

「ど?お前に似てると思って、買っちゃった」

なんて言って、炎狼に目線を合わせる様にしゃがんでみせる。
耳に掛かる髪を払いながらそれを覗かせてみると、炎狼はじっとそれを眺めた。

「おんっ」

どこか嬉しそうにそう吠えた炎狼は、そのまま俺にすり寄ってきた。
サラサラでツヤツヤの綺麗な毛並みが俺の肌を滑って、とても心地良い。

なんだ、俺が創った割には可愛くできてんな♪

「気に入ってくれたんなら、買って良かった♪」

俺もつられて笑顔になりながら、喜んでいた。
さっきの買い物の成功と、素敵な念を生み出せたことを。
俺から出来たものだからか、お礼状に俺の好みを理解して、そう出来上がっているらしい。

その後もフラフラといろんな店を覗きながら歩いた。

途中、通り過ぎた強そうな奴とやりたいなーなんて思いながらも、顔を覚えるだけで我慢することにした。

炎狼が止めなければ、殴りかかっていたけれども。
そういえば、こいつには俺のストッパーをさせるつもりだったんだっけ…そうか。成功?

ここらで強そうな奴って事は、天空闘技場の選手だろうし…我慢しておいてやろう。

そういえばさっきの変な男が話してるのが小耳に入ってきたけど…ハンター試験は、来月ね。

たしかそんくらいだって聞いてたけど、詳しい日数まで解って儲けた儲けた♪

「帰るか、炎狼」

「わんっ♪」

太股に猫みたいにすり寄ってくる炎狼を撫でながら、こういうのは好きだなぁ…なんて口元に笑みを携え、天空闘技場に戻った。

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