時計
今
キーンコーンカーンコーン―――
「梓桜ー、昼食べよ!」
『あー、ごめん。今日購買で買うから。』
「そっか・・・。んじゃ明日は一緒に食べよ!」
『うん。ごめんね。』
(はぁ、何で寝坊した、私・・・)
1人寂しく、購買でパンを買った。
「梓桜!」
突然呼ばれて振り返ると、見知った顔が。
『水鳥。』
「アンタが購買にいるなんて珍しいじゃん。寝坊か?」
『そー。まぁ別にあんパン好きだからいいんだけどね。』
つーか、余計なお世話だ、
と拗ねた感じでそう言ったら、笑われた。
「そうだ、梓桜。アンタこのあと暇だろ?」
『ん?まぁ、「よし、行くよ。」ちょ、ちょっと!』
有無も言わさず私は連行された。
水鳥に連れてこられたのは外のグラウンドだった。
そこには、この前の1年生たち。
「今日、入部テストなんだろ?」
側で見ている女の子に向かって、水鳥が言った。
「瀬戸先輩。」
「水鳥でいい。」
「はい、水鳥さん。あと・・・」
『朝夏梓桜。この前のミーティングの時、いたね。』
「はい!空野葵です。」
『ん、葵ちゃんね。私も梓桜でいいよ。』
そう言って、練習している松風君たちに目を向けた。
彼らの練習を見ていると、本当にサッカーが好きなんだって、心に響いてくる。
『・・・松風君と西園君だったっけ。』
「「はいっ!」」
『頑張りなよ、今日のテスト。』
「はい!ありがとうございます!」
「絶対合格します!」
『そっか。じゃあ私行くね。ありがと、水鳥。』
「あぁ。じゃあな。」
こんな子たちが今のサッカー部には必要なのかもしれない
(だから柄にもなく、応援なんてしたのかも)
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