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遠いあなたを想う(ユベル独自)
 今は未だ遠いあなたたちだけを想っています。

 僕は、君たちを守るためだったら何をやっても苦にはならない。
 それは、前世の頃からもずっと思っていた事で、王子と王女、大切な君たちを守る事が僕にとっての喜びだった。

 全てを捨て去っても、君たちを守る事ができれば、僕は何もいらない。
 君たちの笑顔さえ守れれば、僕は…

 僕が醜い龍の精霊となった後も、君たちは僕を慕ってくれた。それだけが、醜くなった僕に対する救いで、

 僕はその姿となったとき、どんな困難があっても、君たちを守ると命にかけて誓った。

 そして、月日は流れ、君たちは死んで別の時代に生まれ変わった。それでも、僕は君たちを追いかけ、そして君たちの隣にいた。

 君たちはいつも僕に気がついてくれて、僕に笑いかけてくれた。

 だけど、生まれ変わっても持つ強い力に、君たちは多くの人や精霊に傷つけられる。
 僕はその度に、君たちを守るために、そいつらを蹴散らしてきた。

 だけど、君たちは笑うことはなかった。太陽のような笑顔を見せてくれなかった。
 僕が見たいのは、その悲しみの顔じゃない。僕が見たいのは…太陽のように眩しくも、優しく僕を包んでくれる、笑顔だ。

 ある時代、僕と君たちは引き剥がされる事になる。君たちは僕を庇って、その事を防ごうとしてくれた。
 でも、僕は引き離されることを望んだ。君たちを笑わせられないから。とっても辛い事だけど、笑顔が見られないほうがもっと辛いから。

 君たちを慕う精霊たちに頼んで、僕に関する記憶を一時的に消してもらった。その方が、君たちも苦しまなくて済むから。

 僕は今、遠く離れた宇宙の彼方にいる。僕は闇の中で、君の面影ばかりを夢に見る。心は狂うくらいに、壊れかけている。でも、これだけは決して崩れる事は無い。

 今、言葉にしておこう。

「貴方たちを、愛している」と

遠いあなたを想う
(僕は君たちを、どんな手を使ってでも守ってみます)
(だって、僕は君たちを…愛しているから)

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