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魔法少女リリカルなのはA's+
B1A3
「エイミィ、ちょっと良いかしら?」

「はいはい、なんでしょーかー?」

なのはさんとヴィータさんに部屋に戻るよう言った後、私はエイミィに声を掛けた。
エイミィはこの緊張感の無い返事からは想像出来ない程、情報処理の能力が高い。なので自然に情報収集などのお願いをしてしまう。

「デイブレイク・カルテット…なのはさん達のお友達の事なんだけど、調べておいてくれないかしら?」

「それは管理局とは関係ない、個人的なことですか?」

流石に頭の回転がはやい。

「えぇそうよ。この流れだとアースラの管轄になりそうだから。皆のお友達だって言うし、正式に決まっちゃう前に調べておきたいの」

「そう言う事なら任せて下さい!仕事じゃ違法で使えない情報網…甘くみないでくださいよ!」

仕事じゃないと解ると、エイミィは胸を張ってそう豪語した。
提督の私の前でその発言はどうかと思うが、こんな時、これほど役に立つ部下が居るのは正直嬉しかった。

エイミィから離れ、ブリッジから見える外の景色に目を移す。
流れる世界は、暗い未来を映している気がした。



*******



「あら、お帰りなさい。なのはお友達が来てるわよ?」

「うん。ただいま、お母さん。友達って?」

今日は日曜日。
いつもより客の多い翠屋に入ってすぐ、お母さんから迎えの言葉が掛かる。お母さんが指差すほうを見ると、フェイトちゃん、はやてちゃんヴォルケンリッターの面々が揃っていた。
心なしか、フェイトちゃんは少しご機嫌斜めな気がします。

「あれ珍しいね?こんなお昼に皆集まってどうしたの?」

「たんとーちょくにゅーに言わせて貰うで?なのはちゃん、どうするつもりや?」

開口一番はやてちゃんが痛いところをついてくる。
こんな時のはやてちゃんは苦手だ。全部解っててこんな質問をしてくるんだもん。

「…なんのことかな?」

「なんのコトかじゃねーよ。かなでのコトに決まってんだろ」

「にゃはは…ヴィータちゃん、皆に言っちゃったんだ」

「大事なことだからな。まぁ、あたしが言わなくても自分で言っただろうけど」

突然の事で皆に話す決心ができてなかった私は、咄嗟にシラをきった。
被せる様にヴィータの一言。

確かに話すつもりだったけど、心の準備が出来てないよ。

「………」

間を置き、皆に話すべき事を整理する。

「…えっと、かなでちゃんは魔導師でした。」

「らしいな。そんな事はヴィータから聞いている。聞きたいのは高町がどうしたいか、だ。」

「シグナムさん…私はかなでちゃんのやってる事は間違ってると思います。だから、かなでちゃんをとめたい。助けてあげたい」

「それは局員としてか?」

「…大切な、友達としてです」

見定めるようなキツい目をしていたシグナムさんは、最後のセリフを聞いて軽く微笑み、納得したように頷いてくれました。

その姿に一瞬、娘の成長を喜ぶお父さんを見た気がする。

他の皆も私の言うことは解ってたみたい。
ご機嫌斜めだったフェイトちゃんも観念したように、ため息を漏らしながらも満足そうにしてくれました。

「なのは。私に出来ることがあったら何でも言ってね?きっと力になるから。」

「私らにも遠慮はなしやで?かなでの為や、なんでも言ってくれてえーよ」

「うん、うん!フェイトちゃん、はやてちゃんありがとう!」

――かなでちゃん。皆口には出さないけど、かなでちゃんの事をこんなに想ってくれてるよ?

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あきゅろす。
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