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魔法少女リリカルなのはA's+
A1
戦闘終了後すぐにアースラに転送された私とヴィータちゃんは報告のためにブリッジへ向かう。
私としてはさっきまで泣いていたので顔はあまり見られたくなかったのだが、それが決まりなのだから仕方が無い。

ブリッジに上がるのがこんなにイヤなのは初めてだった。第一、ずっとモニターで確認してたはずだからいちいち報告しに行かなくても良いじゃないか。
正直仕事じゃ無かったら今すぐに割り当てられた部屋に行って泣きたい気分だった。

「…なのはぁ…大丈夫か?…ブリッジに行きたくないなら、あたしだけで行っても良いとおもうぞ?…皆モニターで見てただろうし…」

「…大丈夫だよ。ヴィータちゃん。これはお仕事だもん、ちゃんとしなきゃね」

ヴィータちゃんが眉をハの字に曲げてありがたい事を言ってくれたけど、それをやんわりと否定した。

気を抜くと溢れそうな涙を我慢しながら、かなでちゃんとエセルドレーダちゃんの事を報告するため重い足をブリッジに向ける。


…とは言っても、モニター越しに泣いてたのを見られてたと思うと、ブリッジの入り口から先に中々入れない。
目の前には閉ざされた扉。
そこに到着したのは少し前で、もしかしたら5分は経過してるかも。

ここにずっと居てもしょうがないと私は覚悟を決めて大きく深呼吸。

「ひっひっふー、ひっひっふー!」

「…なのは、それ違うと思う…」

律儀にずっと私の後ろで待ってくれているヴィータちゃんが呆れ果てた様に突っ込んでくれた。
普通に深呼吸するはずだったのに、緊張のせいで自分でも意味が解らない行動をしただけだから、そんな目で私をみないでヴィータちゃん。

扉の前で悩んだり躊躇ったり意気込んだり落ち込んだりしていると、何の前触れも無くプシューと間抜けな音を立てながら扉が横にスライドした。

「…ハァ…遅いと思って様子を見に行こうとしたら…何をしてるんだ、君は…」

隠れようとわたわたしている私にクロノ君の冷ややかな声が掛かる。

「あのっそのっ!ごめんなさいクロノ君!5分くらい前からいて、何か入り辛くて!えっと、報告!ちがうのっ!あれっ?違わない?あ、泣いてたの皆に見られちゃったよね!?」

「…とりあえず中に入って、順序だてて話してくれ」

「えっ?あ…う、うん」

冷静なクロノ君の声で我に返り、きびすを返してブリッジに戻っていったクロノ君に続く。

中に入ると無駄に明るいリンディさんがお茶を飲みながら迎えてくれた。

「なのはさんにヴィータさん、二人ともお疲れ様。
たまたま二人が艦に居てくれて助かったわ。…お茶、いるかしら?」

「…にゃはは…遠慮しておきます」

「うぇ〜…それだけは勘弁…」

進められたお茶を苦笑いしながら断る。ヴィータちゃんに至っては舌を出し、あからさまに嫌な顔をリンディさんに向けている。

リンディさんは「あら、そう?」と言いながら、砂糖とミルクがたんまり入った緑茶を微笑みながら美味しそうに飲んだ。

「…大体の状況は解ってるんだが、報告をしてもらいたい」

間からクロノ君が口を挟み、私に気を使いながらもしっかりと仕事を進める。

他のクルーの皆もいつもと様子が違う気がして、少しだけ居心地が悪く感じた。

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あきゅろす。
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