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魔法少女リリカルなのはA's+
C1
ご主人がヴィータの一撃を受け止め後方へ弾き飛ばされた。
残された私は必然的に目の前でこっちをジッと見つめている白いバリアジャケットの女の子、なのはと戦闘で決定の様だ。

元々ご主人の生み出した正式な使い魔では無く、偶然拾われた私は攻撃魔法が使えない。
だからご主人の得意とする魔法は一切使えず正反対の防御魔法特化型。
それ故に揃えば無類の強さを得るが1人1人に分断されるとそれは意味を成さない。

二人にされた時点で私に勝ち目が無い事くらいは理解できる。

嫌な汗が頬を伝った気がした。

「…もう一度言います。武装を解除して大人しく投降してください」

悲しい仕草をしてなのはがそう告げてくる。

「……嫌だ、です」

頭にきた。
なのはに自覚は無いだろうしそんなつもりは無いだろう。
だけど私にはまるで自分が勝つ事を前提にしたような言葉に聞こえてしまった。

「じゃあ質問。なんで?…なんでこんな事をやってるの?きっと理由があるんだよね?
もしかしたら何かてつだ」

「管理局の人間は……信用出来ない、です。……唯一憶えてた私達が憎む組織…あなた達は敵なの、です!」

私はなのはの言葉を待たずに返事を返した。
悲しい仕草を更に強める。
でも関係無い。だってなのは達は管理局の人間と解ったから、どんなに悲しまれても私やご主人の心が痛むことなんてありえはしない。

だっていうのにこのモヤモヤした嫌な気持ちはなんなんだろう?

――なのは達が私の頭を優しく撫でてくれた記憶が一瞬フラッシュバックした。

気持ちがこれ以上表情に出ない内に話を終わらせるべきだろう。

「唯一憶えてた……?」

「……おしゃべりは終わりにします、です。」

眉を潜めて動きを止めたなのはに魔力を乗せた拳を打ち込む。
元々攻撃魔法なんて使えないからただ単に純粋な魔力を籠めただけのそれは簡単にガードされてしまった。
わかっていたとはいえこうも簡単に防がれるとやっぱり攻撃魔法は向いてないんだなーと思ってしまう。

それに構わずに二撃三撃と連続で拳を叩き込む。

「っ!唯一憶えてたって言ったけど、それじゃぁ貴女も貴女のご主人様も記憶が無いって事なの?
…それに何でそんなに辛そうなの!?」

「――……。黙る、です。おしゃべりは終わりと言った、です!」

私はパンチを止め眼前にラウンドシールドを展開する。
シールドと言うくらいだから敵の攻撃を防ぐための物だ。
なのはも攻撃していないのに展開されたラウンドシールドに?マークを浮かべ困惑している。

しかし忘れられては困る。
ラウンドシールドもディフェンサーもプロテクションも、元々は攻撃魔法と同じ魔力の塊、攻撃魔法同士で相殺するのと同じく防御魔法で攻撃する事くらいなら私はやれる。

「……行く、です。マイスター…デボーテ…!」

「ぁ…――!!!」

瞬間、魔法陣に書かれた術式の一部が変換され、眼前で展開されたラウンドシールドは手の動きに合わせて地面と水平になりなのはに牙を剥く。
なのはも流石に私の意図に気付いたらしく慌てて飛び退いた。

「くっ!レイジングハートっディバインシューター!」

6個の魔力弾が主人を追撃するマイスターデボーテに殺到した。

甘い、甘すぎる。そんな程度で私のシールドが撃ち抜けるとでも思っているのか。

全弾命中するも勢いは衰えず、逃げるなのはを落とさんと疾走する。
なのはは岩場すれすれまで降下して低空飛行から急上昇、目標を見失ったマイスターデボーテはそのまま岩に激突して四散してしまった。

「あなたに勝ったら絶対、お話しっ……聞かせてもらうからっ!!!」

随分と離れた場所から決意を宿したような大声が木霊する。
山彦のように声が反響して少しだけ私も大声を出したくなった。
それを我慢してなのはの居る地点に行くためスピードを上げた時に気が付いた。

なのはの足元には桜色の魔法陣。
こちらに向けられたデバイス。
先端に光る桜色の粒子。

「ディバイン……バスターーーーーーッ!!!」

これほど超遠距離からの砲撃はご主人以外に見たことが無くピタッと思考が停止する。

我に返りヤバいと思った時、既に巨大な魔力流は目前まで迫っていた。




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あきゅろす。
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