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二人の英雄の物語
漂着
 
「ハッ!」

「ギィ!」

あれから装備と必要最低限の物を揃え、すぐに街を出た。

現場の遺跡とやらは、徒歩で片道三日はかかる距離だと書類にあったからだ。

「タァッ!」

「グゲャッ!」

さっさと終わらせようと急いだのが悪かったのか、移動用のエアシューズが途中でエンストを起こした。

「ハァァ!!」

「ギャァァ!!」

更に運の悪い事に、やっとの事で不時着した場所がはぐれの巣のど真ん中。

……今日は厄日か?

「ギー!」

「くっ!」

襲い掛かる狼型はぐれの爪を電磁刀のバリアで防ぐ。

コレは刀身から電磁エネルギーを発生させ、小規模なバリアを展開させられるすぐれ物。

バリアを張ったまま打撃に使用すれば、小さな力でも相手にかなりのダメージを与える事が出来る。

まぁエネルギーが切れたらただの棒切れに変わるんだけど……

「ぐっ……でやぁぁ!!」

はぐれの腕を弾き、バリアを袈裟斬りに打ち込む。

「ゲガァ!!……」

ピクリとも動かなくなったはぐれ。

どうやらコレが最後の一匹だったようだ。

「ふぅ……」

額の汗を拭い、電磁刀のスイッチを切る。

さぁ、これからどうしよう?

幸い水と食料は十分ある。
ギルドからの捜索隊が捜しに来るのを待つか、このまま進んでクエストをクリアするか……

…………どうせここまで来たんだ。
進むとするか。
.

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あきゅろす。
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