二人の英雄の物語 逃走後 「はぁ……はぁ……はぁぁ〜……」 逃げて気が付いたらギルドの前だったのでとりあえず中に入ることにした。 「はぁぁ……こんなんじゃ見つかる分けないよ……」 疲れたから一息着いたらギルドマスターが奥から出てきて話しかけてきた。 「おかえり。…なんだ、相方見つかってるのか。やるな」 「そんなわけ無いじゃない!ただでさえ変な奴に追いかけられてたんだから…」 疲れきった感じに息を付いているところに一言、 「おや、変な奴とは失礼ですね」 「そうそう、こんなこ…え?」 その声のする方に振り向いたら、そこに居た奴。 「やあ、また会いましたね、リューンさん」 「なんかいるうぅぅぅーーーーーー!!」 ─────────────────── その後、ギルドマスターのおかげっていうのか分からないけど、この薔薇を胸ポケットに入れてる男ことネイガル・アッシュフォードと組まされた(誘わされた)。 「はぁ……。生活難にならなくて助かったんだけどね……」 「何を話してらっしゃるんですか、リューンさん?」 そんなことを思い出していたら、ため息と一緒に独り言を言ってたみたい。 (落ち着こう。このクエストが終われば生活費を貰えて、このナルシストとも離れられるんだから) 私は深呼吸を1つして、目的地へと向かうために進む。 遺跡までの道はある程度、開拓されてキルバスで言う『車』一台通れる位はあるが、左右からは樹木が道までのり出してきているので、光の射し込む量があまり多くない。 ここまで来るのにそんなに時間はかかってない(商業都市製の『魔導テレポーター』を使ったから)んだけど、なにぶん前線が近いからちょっと道を逸れただけでキルバスの方に無断入国してしまうことになる。 それだけは避けないと簡単にキルバスの正規軍に撃ち殺されてしまう。 まあ、路に沿っていけば間違うことは無いんだけどね。 ……ところであいつは何をしてらっしゃるのかな? 「ちょっと変態。なにしてんのよ、蹲って。気分悪くなったとか言わないでよね?」 [*前へ] |