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幼馴染み
3

「うん、合格」

数時間後……。
試行錯誤してやっと今日の勉強を終えた俺。
蒼に採点を頼んだ俺は休憩と称してベッドに俯せになり、漫画雑誌を読んで寛いでいた。

「マジで!」

「あぁ。これだけ出来たら明日の分は大丈夫じゃない?」

「やった!」

まだ試験も終わったわけじゃないのに、蒼に褒められると何もかもが終わったような気持ちになるから不思議だ。


まぁ、試験前からそんなこと考えてちゃ駄目なんだけど。

「何か飲み物いる?由紀さんからもらってくるし」

「あ、じゃ、俺コーラ!」

「了解。待ってて」

俺の返事を聞いた蒼は穏やかな笑みを残して部屋から出て行った。


蒼がいなくなると、当然だけど室内は急激に静まり返る。


机の上にはさっきまでやりかけのノートとか資料が散乱してたけど、がさつな俺に対して若干几帳面な蒼はいつの間にか用済みとなった本やノートをきっちり重ねて片付けてくれてた。


だから痕跡は確かにあるのに、まるでそこには最初から蒼の存在がなかったかのようで……。


俺は読み飽きた漫画を絨毯の上に放り出し、すぐベッドに仰向けになった。俺の瞳は染み一つない天井だけを映すが頭の中はさっきから蒼のことで埋め尽くされている。

「なんか……結構重症?俺…」

あの時から蒼のことが気になって仕方ない。
でも、どうしてこんなに気になるのか――――分からない。


あのことは俺の中でも蒼の中でも一定の区切りをつけたつもりだし当事者の俺がこんなに気にしちゃいけないのも分かってるのに。


だけど、あのことだけが俺の中で引っかかってるだけじゃないような気がして……。

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あきゅろす。
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