幼馴染み
15
「……くそっ」
こんな所じゃ時間だって分からない。
俺より遥かに高い場所にある小さな窓からは、微かに太陽の光が洩れているのでまだ昼頃だろうとは思うけど。
どっちにしても、俺がいなくなったことに気付いた蒼や彼方が、俺を探し出してくれるまで待つしかないか……。
いやいや!そもそもこんな、忘れられたような場所、見付けられるのか?!
俺は絶望的な気持ちの中、頭を抱えた。
すると、物音が徐々に近付いてきた。
俺は身構える……と言っても、手も足も動かせない状態じゃ何も出来ないけど、気持ちだけは。
「あぁ、起きた?お姫様」
ドアが開くと同時に声が聞こえてきた。この声には聞き覚えがある。しかも、つい最近、だ。
疑わなかったと言えば嘘になる。もしかして、とは思ったけど……。俺は少しだけ、悲しくなった。
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