幼馴染み
12
「廉?」
ムスッと機嫌を悪くしている俺に蒼がいち早く気付いた。
「俺が言って離れなくて何で蒼なら離れるんだよ」
こーゆー時、俺と蒼の違いっていうか、そーゆーのを見せ付けられると気分が悪くなる。
だって、要するに俺より蒼のが説得力あるってことだろ?
こんな時でも俺は蒼に負けるのかー……なんて。
ちょっと卑屈にもなってしまう。俺が蒼に勝てるのって何なんだろう?
守ってもらうばかりじゃ、嫌なのに。
「そりゃ蒼だから」
って、彼方は俺の機嫌を損ねる天才だろうか。
「彼方のバカ」
彼方の一言で完全に機嫌を損ねた俺は席を立ち上がった。
「……廉」
蒼に呼び掛けられたが俺は三人に背を向けて、
「トイレ行ってくる」
それだけ告げて教室を後にした。
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