幼馴染み
5
「八切!」
がばっ!と言う効果音が聞こえてきそうだ。
あろうことか俺は二人の目の前で、安藤のデカイ図体に抱き締められていた。
「……熱烈」
何やら口笛でも吹きそうな調子で彼方が呟く。
蒼は何を言うでもなく、ただ静かに俺達を見つめていた。
「離れろ安藤!暑苦しい!」
俺は安藤の腕の中、ジタバタと暴れる。
男に抱き着かれるなんて、全くいい気がしない!
「つれないな〜。まだいてくれて良かった!一緒に帰ろう!」
「何で俺が?!」
「友達の第一歩、登下校一緒に行動するって大事だろ?」
安藤の言うことは一理ある。
現に俺と蒼はずっと一緒だし、今日みたいに彼方が加わることもあるし。
「まぁ……登下校くらいなら」
断る謂れも無いので承諾すると、更に俺を抱き締める力が強くなった。
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