幼馴染み
4
「何だよっ」
むすっと頬を膨らませる俺の肩を彼方がポンと宥めるように叩いて、
「それはご愁傷様……」
って、言葉と態度が全くバラバラなんですけど!
宥めるか笑うかどっちかにしろよ!
……ホント器用な奴め。
「どんな奴?」
「大型犬」
蒼の問いに即答した俺。
「大型犬?」
「デカイけど人懐こい、なんかそんな感じ」
「へー」
「八切!」
蒼と彼方に報告し終え、帰ろうと話をしていた時。
廊下から大声で俺を呼ぶ声。
もう教室には俺達しかいなかったし、廊下にも人は疎(マバ)らにしかいなかったけど……。
流石に自分の苗字を大音量で叫ばれると恥ずかしいことこの上ない!
余り聞き覚えのない声に、誰だ?!と思い出入口を振り返ると、そこには…――――。
「ゲッ!安藤!」
さっき、屋上で別れたはずの安藤が勢いよくこっちに向かって来るではないか!
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