幼馴染み
3
教室に戻ったら、散々だった。
俺と一緒に帰るために待っててくれた蒼と、多分俺を茶化すために残ってた彼方……。
「どうだった?告られたか?」
彼方の楽しんでいる様子が、何だが異常にムカついた。
「告白ってゆーか何てゆーか……」
だから余計に話す気にならない俺。まさか相手は爽やかな男で、まさかまさか友達になるためだけに呼び出しを食らった、なんてどんな冗談だ。
しかも、屋上に行く前はあんなに浮かれてたのに……。
――――…絶対言えねー!!
「付き合うの?」
「だだっ、誰がっ。冗談じゃないっ」
蒼に急に言われて吃(ドモ)ったのは俺だ。俺が全力で否定すると、蒼が不思議そうな顔をしていた。
「もしかして、男?」
そう。男になら、太田先輩しかり、何度か告白されたことはある。不本意ながら。
「何でそう思う?」
「男に告られた時と同じ反応」
彼方の質問に答えた、蒼の視線が非常に痛い。
「あーっ、もう!男だよ男!それも告白じゃなくて、友達になりたいんだとさ!俺と!」
ゼーゼー。ハーハー。
息切れしそうだ。
肺が空気を欲している。
開き直って早口で捲し立てた俺を二人はきょとんとした顔で見ていたが、次の瞬間には二人同時に笑い出していた。
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